「高速負荷応答性を備えた高効率中小型ガスタービンの開発」においてNEDOより戦略的省エネルギー技術革新プログラム優良事業表彰を受賞

2019年02月06日

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川崎重工は、30MW級の純国産ガスタービンL30Aをベースとした「高速負荷応答性を備えた高効率中小型ガスタービンの開発」において、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より戦略的省エネルギー技術革新プログラム優良事業表彰を受賞しました。
戦略的省エネルギー技術革新プログラムは、NEDOが主催し、日本における省エネルギー型経済社会の構築及び産業競争力の強化に寄与することを目的として、2030年に高い省エネ効果が見込まれる省エネルギー技術を事業化まで支援する制度で、今回の受賞は、当社の開発プログラムが優秀な成果を収めたことが評価されたものです。

L30Aは、産業用の30MW級ガスタービンでは世界最高の発電効率39.1%を達成し、同機を用いたコージェネレーション(熱電併給)システムは総合効率85.1%、蒸気タービンとの組合せによるコンバインドサイクル発電プラントは50%を超える発電効率を実現することができます。環境性能においても、窒素酸化物(NOx)の排出量を世界最高レベルの52.5ppm(O=0%)以下に抑えています。

当社は本プログラムにおいて、L30Aの負荷応答性向上およびタービン高温化技術の開発に取り組み、急な電力需要への対応を可能にし、停止した状態から定格出力までの時間を従来の半分の約5分としました。開発した技術は、世界最高水準の発電効率を誇るコンバインドサイクル発電プラント(CCPP)や高効率ガスタービンコージェネレーションシステムのコアエンジンとして搭載されるL30Aに適用されており、2018年8月にはL30Aを用いたCCPPを初受注しています。

世界の電力使用量は経済発展が著しい東南アジアを中心に増加していくとともに、従来の天然ガス産出に加えて、米国以外の新たなシェールガス供給国の増加も期待され、これに伴い分散電源として高効率のガス火力発電所の建設需要は拡大しています。なかでも、出力が不安定な再生可能エネルギーの利用拡大などを背景に、新規導入や設備更新が進む分散型発電市場において、優れた負荷応答性を持つ高効率な設備への需要が高まっています。

■戦略的省エネルギー技術革新プログラムについて
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100039.html

■世界最高水準の発電効率を誇る100MW級ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントの営業活動開始
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20180322_1.html

■自社開発の発電出力100MW級コンバインドサイクル発電プラントの建設工事を初受注
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20180820_1.html