ロシアでのエネルギー効率改善に関する2案件について協力議定書を調印

2013年05月09日

川崎重工は、双日株式会社(以下双日)と共に、ロシアでのエネルギー効率改善に関する2案件について協力議定書を調印しました。1件目が、ガスプロム社のガス圧縮機ステーション向け発電装置用ガスタービンエンジン供給案件、2件目が極東コージェネレーションプロジェクト・パイロットプラント向けガスタービン発電装置供給案件です。

ガスプロム社のガス圧縮機ステーション向け発電装置用ガスタービンエンジン供給案件は、1,700kW クラスの当社製M1A-17D型ガスタービンをロシアのエンジニアリング会社であるエネルゴテクニカ社設計の最新の寒冷地屋外設置型発電装置パッケージ”Corvet1.7k”に搭載し、天然ガス生産量において世界最大のガス会社であるガスプロム社向けに供給するというものです。本件に関して調印したアグリーメントの内容は2つあります。1つ目は、パイロットプラント用1,700kWクラスガスタービン5台の供給に関し協力すること、2つ目はパイロットプラントの納入及び稼働実証後、次の20台の供給、及びそれに続く毎年の継続供給の協力を約束することです。主契約者たるエネルゴテクニカ社と双日間でこれが調印され、当社はWitnessとして署名しました。

極東コージェネレーションプロジェクト・パイロットプラント向けガスタービン発電装置供給案件は、ロシア極東のガスパイプライン沿いに当社の中・小型ガスタービン発電設備を供給するというものです。ロシア極東では、老朽化した小規模暖房用温水供給ボイラーが熱供給をしていますが、古い設備であるため、その効率は非常に低く約35%程度とのことです。またこれらの地域では、市町村が広いエリアに点在しているため、電力を送るにあたって送電ロスが非常に大きくなっています。当社のガスタービン発電設備を用いたオンサイトコージェネレーションプラントは、電力と熱を合わせた総合効率が80%に達し、オンサイトであるため熱や電力を送る際のロスがほとんどありません。また、当社のガスタービンは中・小型であるため、供給先が点在するロシア極東には最適な設備です。本件に関して調印したアグリーメントの内容は2つあります。1つ目は、複数のパイロットプラント候補地の選定を早急に行うことの合意、2つ目は6か月後を目途としたパイロットプラント用機器契約に向けた協力に関する合意です。調印は極東ロシアの電力会社であるRAO Energy System Vostok社と、主契約者である双日および当社で行われました。

当社は、2012年度ウラジオストクで行われたAPECの会場にもガスタービン発電設備を供給しています。また、当社製ガスエンジンに関しても、ロシアの発電機・電動機メーカーであるプリボド社と協業をスタートしています。当社が供給するガスエンジンを、プリボド社がロシアでパッケージングし、販売を行います。

当社は、この度のアグリーメントにて調印する案件等を通じて、より一層ロシアとの関係を深め、今後もロシアのプロジェクトに注力していきます。