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パイロット実証の核心① 液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」
液化水素サプライチェーン構築に向けた最初の取組みであるパイロット実証*において、大きなカギを握る液化水素運搬船。世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」は2019年に進水式を迎え、2020年に完成しました。
その後、日本を出発した「すいそふろんてぃあ」は初の外洋航海を経てオーストラリア・ヘイスティングスの港に到着。液化水素を積み込んだ後、2022年2月にHy touch 神戸に帰還しました。
CO₂フリー水素サプライチェーン推進機構「HySTRA」により、海外の資源国に眠る膨大な未利用資源から水素を製造し、大量に日本まで輸送するというパイロット実証が完遂し、国をまたいだ水素の長距離大量輸送が実現しました。
*NEDO助成事業「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」
大量輸送のカギとなる液化水素
既存のエネルギーから水素エネルギーへの転換を果たすためには、大量の水素を効率よく、安全に輸送する技術が求められます。液化水素は気体に比べて体積が800分の1になるという特性を持つため、水素の大量輸送が可能になります。すいそふろんてぃあに搭載される液化水素貨物タンクの容量は1,250㎥。これは水素を使う燃料電池車1.5万台分の燃料に相当します。将来、商用段階で液化水素を輸送する際はこれの数百倍もの液化水素を積み込み、大量輸送を行います。
-253℃を維持する高性能な断熱技術
この船には、-253℃の液化状態を維持しながら水素を輸送するための技術が隠されています。すいそふろんてぃあに搭載する貨物タンクは100度のお湯を入れたとしても1度しか下がらない、真空二重殻という魔法瓶のような構造となっており、冷却するための外部エネルギーを用いることなく輸送が可能です。パイロット実証では、自然入熱による液化水素の蒸発率(ボイルオフレート)が1日0.3%程度に収まることを証明しました。
商用化実証に向けて
HySTRAは2022年から行われた日豪間のパイロット実証において、オーストラリアで製造された液化水素を積み込み、日本の神戸港まで輸送する初めての実証航行を成功させました。その後、日本とオーストラリアの間を3往復、合計54,000㎞もの航行を行い、液化水素の海上輸送の実現性を証明しました。
ここで証明された技術は、商用化実証のために現在建造中の40,000型液化水素運搬船にも活用される予定です。