TOFD法2チャンネルとパルス反射法2チャンネルの組み合わせにより、板厚全域の探傷が可能に
TOFD法とバルス反射法の組み合わせにより、15mm前後の板厚はもちろん50mmを超える厚板構造物の板厚全域の探傷も可能とした超音波探傷装置です。多彩な解析機能を実装し、検査業務を強力にサポートします。
TOFD法によるLNG船球形タンクの超音波探傷検査
船積LNG船球形タンク溶接部(アルミニウム合金)への適用状況
2005年から実用化しています。
従来の自動UT(パルス反射)と比較し、探傷速度が約2倍(当社比)となりました。
テレビ大阪「和風総本家 巨大な日本を作る職人たち」で坂出工場が製作するLNG運搬船用アルミ球形タンクの製造過程が放映され非破壊検査の一部として弊社のTOFD検査が紹介されました。
TOFD法のみでは、表面近傍を伝搬する波(ラテラル波)の影響により、表面直下の検査が困難でしたが、本装置は、TOFD法2チャンネルと表面近傍を探傷するバルス反射法2チャンネルを組み合わせることで、板厚全域の探傷を可能にしました。
TOFD法とは、送信探触子と受信探触子を対向させて配置し、欠陥の上端部及び下端部で生じる回折波を受信することで欠陥を検出し、回折波の伝搬時間から欠陥の位置及び欠陥の高さを高精度で計測できる手法です。指向性の鈍い超音波を送受信しているため、バルス反射法のような前後走査を必要とせず、高速で板厚方向に対して広い範囲の探傷が可能です。
TOFDシステムは装置本体と走行台車、スキャナーリモコン及び走行レールで構成されており、溶接線上を自走し、自動探傷を可能にしています。
探傷速度は40mm/secの範囲で任意に変更する事が出来、探傷結果はリアルタイムで表示され、記録、保存されます。
板厚差がある継手に対してもハード及びソフトともに対応し、TOFD法における欠陥寸法計測では、十字、パラボラ計測カーソルによる計測ができ、実務レベルで欠陥高さ±0.5mmの計測精度が期待できます。探傷データの色調調整機能や欠陥評価時に妨げとなるラテラル波や底面波を処理する機能、欠陥の検出や寸法計測をサポートする機能を搭載しています。
探傷中の操作はリモコンペンダントで行うことができ、効率的な探傷作業を実現しています。
ウェーブレットを主とした信号処理によって、ノイズ信号が多いTOFD画像から、ノイズ信号を除去してSN比を向上させ、従来の手探傷で検出する欠陥信号だけを強調または抽出することが可能です。さらに、TOFD法2チャンネル、複数ロット(検査長数十m)に対して、一連の信号処理を自動で実施し、欠陥強調結果が表示可能です。