TCFD提言に沿う情報開示(シナリオ分析)

TCFD提言に沿う情報開示

当社は2019年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同署名を行っており、TCFDは気候変動に係る内容として、図のような情報の開示を求めています。
2020年発行の環境報告書2020では、当社全体の気候変動に係るリスクと機会について説明しており、今回は産業用プラント部門を対象として、シナリオ分析を実施した結果について報告します。

TCFDの開示推奨項目

ガバナンス(気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス)

気候変動に係るリスクと機会を含む環境経営戦略について、全社サステナビリティの企画・推進・総括を所管する「サステナビリティ委員会」にて審議・報告する体制を整え、重要課題は取締役会へ上程するガナバンス体制を構築しています。

体制図

戦略(気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への実際の/潜在的影響(2℃シナリオ等に照らした分析を含む)

当社は、持続可能な社会の実現に向けて、「CO2 FREE」「Waste FREE」「Harm FREE」を柱とした「Kawasaki地球環境ビジョン2050」を2017年に策定しました。また、SDGsの 達成に向けても、クリーンエネルギーの創出等、当社が事業を通じて貢献できる部分は大きいと認識しています。
その中で、当社グループビジョン2030では、3つの注力フィールドのひとつであるエネルギー・環境ソリューションフィールドで水素戦略(脱炭素)を中心に掲げており、水素戦略で中心となる産業用プラント部門において、シナリオ分析を他部門に先駆けて実施しました。その結果、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の2℃シナリオ、4℃シナリオの、いずれのシナリオにおいても当社のプラント部門事業はレジリエントであると判断しました。2℃シナリオを中心として、シナリオ分析結果を記載しています。
シナリオ分析にあたっては図のプロセスで実施しており、今後は産業用プラント部門で実施したシナリオ分析を基に、当社の全部門へ水平展開を行います。

シナリオ分析のプロセス

シナリオ分析の実施結果

将来(2030年付近)の予測データ
  1. ※1出典:2025年における161か国の所得別ごみ総発生量・ごみ組成質の予測
    https://www.jica.go.jp/publication/mundi/1805/201805_02_02.html
  2. ※2出典:世界のLNG純輸出量の変化
    https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/kokusaisigensenryaku_02.html
  3. ※3世界の石油製品需要の増減推移と見通し
    https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2017html/1-3-3.html
  4. ※2世界の石炭貿易(輸入量) P.61
    https://eneken.ieej.or.jp/data/9170.pdf

シナリオ分析の「プロセス2:リスクと機会の抽出」、「プロセス3:事業インパクト影響度)評価」、「プロセス4:対策の立案」については、下図に示しています。

  • (4℃シナリオは既存のBCP(事業継続計画)に包含)

※画像をクリックするとPDFで環境報告書該当頁が開きます。

リスク管理(気候関連リスクの識別・評価・管理方法)

気候変動に係るリスクの識別・評価・管理については、サステナビリティ委員会にて実施しています。
リスクの識別については、移行リスク、物理リスク等、TCFDの分類に沿って識別し、評価は影響の大小で判別しています。評価したリスクの中で致命的なものについては、取締役会で審議されます。

指標と目標(気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標)

当社グループは「Kawasaki地球環境ビジョン2050」において、事業活動(Scope1&2)でのCO2排出ゼロを掲げています。また、直近の第10次環境経営活動基本計画(2019~2021年度)においては、事業活動におけるCO2排出量の20%削減(売上高原単位、2013年度比)を目標としています。
2030年の中長期目標や第11次計画(2022~2024年度)についてはこれからですが、今後脱炭素社会の実現に向けた主たる水素製品については、グループビジョン2030の進捗報告会において、2030年度および2040年度の売上目標値を上方修正しており、事業の継続と脱炭素社会の実現の両立に向けて推進しています。
当社のCO2排出量全体の9割以上を占めるScope3カテゴリー11の「販売した製品の使用」においては、従来の化石燃料製品から水素製品への代替や、水素社会実現までの移行期においては、Kawasakiグリーン製品をはじめとするより高効率でCO2排出量が少ない製品により、CO2排出量の削減に努めていきます。