Jul. 2019

Techno Box 13

空気浮上式ベルトコンベヤエンジンフローダイナミックス
コンベヤ (FDC)

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空気でベルトを浮かせて運ぶコンベヤ

石炭や鉄鉱石、石炭灰などの搬送物を運ぶベルトコンベヤは、“たくさんのローラが回転してベルトを支えているもの”というイメージが一般的だが、川崎重工の「フローダイナミックスコンベヤ(FDC)」は、空気の力でベルトを支える空気浮上式ベルトコンベヤだ。
ベルトを空気で浮上させるメリットは数多い。中間部は密閉構造でローラが無いため、メンテナンスも大幅に省力化でき、低騒音・低振動を実現しながら高速搬送を可能にする。また、粉じんが周囲に飛び散らないようにケーシングで覆っているため、環境にも優しい。
FDCは1992年に開発に着手して94年には初号機を送り出し、これまで改良を重ねてきた結果、国内外の発電所や製鉄所などに287基を納入している。

中にはベルトの幅が2メートル、距離が1キロメートル以上、石炭であれば時間あたり6,600トンを搬送できるものもある。空気の力でこれだけの仕事をこなせるのだ。
FDCの原理は、ゲームセンターのエアホッケーと基本的に同じだ。技術の秘密は、「ベルトをいかに浮かせるか」にある。ベルトは「トラフ」と呼ばれる半円筒上の板との間に送られた少量の空気で浮き、搬送物に応じて空気の量や圧力を決定・調整する。
ここに川崎重工ならではのノウハウがあるのだが、それと同時にトラフなどの製作加工技術の向上によることが大きい。流体力学理論とものづくりの技が一体となり、FDCは大進化を遂げたのである。

01トラフ

FDCの“主役”とも言える半円筒形の構造物。空気で浮かせるコンベヤにおいて必要不可欠なキーアイテムだ。

02ベルト

ベルトは、運ぶ搬送物の種類や量によって幅が決まる。最大のもので2.0m、最小で0.4mなど多種多彩だ。

少量の空気で
              浮かせる。これで運搬が可能になるんです!
03密閉構造

密閉構造でローラが無いので、低騒音・低振動を実現。ローラ交換用の点検窓も無いのでシンプルな構造になっている。

04プーリ

ベルトを動かす回転体。ベルトを複数のプーリで支え、駆動用プーリで回している。

より低騒音で環境に優しくより使いやすくタフなFDCを。少しずつ改良を重ねてきた自信作です!
Kawasakiの技!

FDCの原理とは?

FDCでは、「トラフ」と呼ばれる半円筒上の板の下から給気孔を介し空気を送り、ベルトを浮かせ、両端の回転機(プーリ)で回して資材を運ぶ。トラフの底には小さな穴が並んでおり、輸送物の種類や量によって空気の圧力や量を決定する。これが「きちんと浮かせる」ノウハウの結晶だ。FDCのトラフは、「キャリヤ用」と「リターン用」が上下に並列された構造で、1枚のゴムベルトがキャリヤ、リターンとも空気で浮上している。

Kawasakiの技!

トラフを汚さない“逆転技”

キャリヤ側で搬送物を運んだことにより汚れたベルトの表面が、リターン側ではトラフ側を向き、トラフを汚してしまう。そこで、リターン側のトラフの前後でベルトを上下180°反転させる装置が設置されている。ここでベルトを反転することだけで、長いコンベヤの清掃が不要になり、メンテナンスコストが下がるのだ。

Kawasakiの技!

工場で部品を組み立てて、
現地は一体据付

FDCは、工場内でトラフやカバー類、関連装置などを予め組み立て輸送し、建設現場では、それらをつなげて据え付けるブロック工法を採用している。この方法で現場での工事期間の短縮に大きく貢献している。

あくまでも環境に優しい巨大な鋼構造物

写真は台湾の発電所に設置されたFDCで、左右に2本のFDCが並走している。長いものは約1kmあり、1.6m幅のベルトを毎分300mの速さで動かし、毎時4400tの石炭を搬送できる。海上に設置するため、カバーに囲われた密閉構造で周囲の環境保護に配慮された鋼構造物が必要になっている。

解説

川崎重工業株式会社
エネルギー・環境プラントカンパニー
産機プラント総括部
搬送プラント部
設計一課
衣笠 智行(左)
設計二課
清水 悠介(右)
Kawasaki NewsKawasaki Heavy Industries Quarterly Newsletter
川崎重工グループの和文PR誌として、多彩な製品群が陸・海・空に亘る各分野で活躍する姿と、新製品・新技術の一端をご紹介しています。

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