Jan. 2019

Techno Box 10

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
高精度・高速
油圧プレス

Scroll

油圧プレス機トップメーカーの
ノウハウを凝縮

金属や樹脂などの素材に、強い圧力をかけて任意の形に成形するのが「プレス機械」。圧力をかける仕組みの違いで「機械プレス」と「油圧プレス」に大別される。川崎重工グループのプレス機械メーカー・川崎油工は、油圧プレスでは国内トップシェアを誇る。海外向け500台を含む約3,000台の納入実績があり、さまざまなものづくりの現場で部品成形の高品質化、作業効率の向上などに貢献している。
川崎油工は、数値制御方式や高精度レベリング装置(コラム参照)を国内で初めて実用化する一方、世界最高の15万kN(キロニュートン)という成形出力のプレス機を開発するなど業界をリードしてきた。

「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)高精度・高速油圧プレス」は、新世代の複合材料を研究している名古屋大学ナショナルコンポジットセンターに納入された。成形出力は3万5,000kNで熱を加えると硬化する熱硬化性、逆に、冷めると硬化する熱可塑性という異なる性質のCFRPの成形の両方ができる〝両刀使い〟で、川崎油工のノウハウが凝縮されているプレス機だ。

01プレス機は3層構造

装置は、上部(クラウン)、中部(アプライト)、下部(ベッド)の3層構造になっている。ベッドは地下部分になる。装置は4本の柱で支えられているが、強い圧力で装置自身が変形しないようにするために、4本の柱の中にはそれぞれ直径約250mm、長さ11mの巨大な棒が貫通して3層を繋いでいる。

クラウン

アプライト

ベッド

02油圧ユニット

高応答のサーボバルブで
油を高精度に制御する

大容量サーボパルプ

03油圧シリンダ
04真空脱気装置
成形品の風合いの向上や焼け防止のために、真空脱気装置により金型内に残った空気やガスを金型に設けられた穴を通して抜く。
05アキュムレーター
06金型
プレス機本体と着脱できるようになっている。
07アキュムレーター
Kawasakiの技!

アキュムレータ

プレス動作速度の秘密は
アキュムレータの“風船”

CFRP成形では、加熱された素材の熱が冷めないうちに迅速に金型を閉じ、加圧するスピードが重要である。金型を閉塞するシリンダを素早く動かし、力を保持するために活躍するのが、上部にガスボンベが並んでいるように見える「アキュムレータ」だ。内部にゴムの風船が入っており、ボンベ内に油を押し込めて風船を縮ませ、解放時の反動力で20MPaという強大な圧力と大容量の油を放出することで動作を生み出す。

Kawasakiの技!

スライド

油圧プレスにしかできない技を極める

3本のシリンダが、金型を素材に押しつける。毎秒800mmという高速で下降・上昇し、一度減速してから3万5,000kNの高圧を「じっくり、じわっ」や「素早く、ぎゅっ」と素材にかけていく。このさまざまな動作や加圧保持が油圧プレスならではの機能で、機械プレスではできない技だ。

Kawasakiの技!

4点高精度レベリングシステム

5/100mmの高精度レベリング装置

樹脂の成形では、加圧面全域に均等に圧力がかからないと製品の厚さにムラが出る。上下の金型の平行を保ち、樹脂の膨張・収縮の動きに合わせた制御がいる。そこで平行精度100分の5mmを実現したのが「4点高精度レベリング装置」だ。機械を支える4本の柱に沿うように配置した各種のセンサーのデータと油圧バルブが精密に連動する。

こんな所にも成形品が!

油圧プレスからは、私たちにとって身近な製品が生み出されている。エコカーのバックドア、シャーシ、ボディーの他、家庭用のキッチンシンク、ユニットバス等々。東京スカイツリーの主柱も、平板を丸く曲げてつくられたものだ。

エコカーボディ(CFRP)
キッチンシンク
東京スカイツリーの主柱
Next Generation Model

次世代の最新機は「ハイブリッド」

油圧プレスと機械プレスの異なる長所を融合し、油交換などのメンテナンスを軽減させる「次世代ハイブリッドプレス機」の開発が佳境を迎えている。川崎油工はすでに、モーターと油圧の両方を活かすことのできる「電・油ハイブリッド制御技術」を確立。試験機を社内に設置し、お客様からのトライアルに活用する予定だ。

解説

川崎油工業株式会社
営業部
グローバル営業推進課
村上 安結美(左)
川崎油工業株式会社
エンジニアリングサービス部
カスタマーサービス推進課
福田 雅文(右)
Kawasaki NewsKawasaki Heavy Industries Quarterly Newsletter
川崎重工グループの和文PR誌として、多彩な製品群が陸・海・空に亘る各分野で活躍する姿と、新製品・新技術の一端をご紹介しています。

Kawasaki Group Channel