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Jan. 2017

Techno Box 02

川崎MGM蒸気圧縮機GMブロワ

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蒸気ブロワで新たな革新

空気や蒸気、ガスなどに圧力を与えて送り出すブロワ。その用途は化学・石油・製鉄装置の空気源、各種ガスの吸引・圧送用、廃液・排水処理用、都市下水道曝気用など多岐にわたる。
 ちょうど半世紀前、ブロワの高効率化を実現する斜流型羽根車を開発してブロワに大きな技術革新をもたらしたのが川崎重工である。すでに1,300台以上のブロワを供給し、40年以上にわたり稼働している製品もあるほど高い信頼性を誇っている。
 そして今、川崎重工は成熟した分野と言われるブロワにおいて再び大きな技術革新を生み出した。蒸気圧縮機としての利用における徹底した省エネ化を実現した「MGM蒸気圧縮機」を送り出したのである。
 MGM蒸気圧縮機の最大の特徴は、圧縮装置が多段になっていること。1段目で圧縮された蒸気は2段目の圧縮部に入り、圧縮率が高められる。もちろん斜流型羽根車の開発を契機に実現したブロワの小型化や慣性モーメントの低さ、低振動・低騒音などの特徴も受け継がれている。回転機械の安定特性を左右するロータダイナミクスに対して最新の設計技術が導入された成果だ。
 蒸気の場合、腐食性が問題となる。また気体である蒸気が水に変化するドレン現象が起きると、羽根車などに大きな負担がかかる。MGM蒸気圧縮機では耐腐食性や剛性の高い素材の活用により課題に応えた。
 MGM蒸気圧縮機は、自己蒸気圧縮式の蒸発装置、蒸気圧縮機式造水装置、ヒートポンプや排蒸気・低圧蒸気の再利用などでの活用が進んでいる。

01インレットベーン
1段目吸込→2段目吸込→吐出。使用用途:1.自己蒸気圧縮装置用、2.蒸気圧縮機造水装置用、3.ヒートポンプ、排蒸気・低圧蒸気の再利用

1段目の羽根車の直前に設けられている部品。部分負荷効率のよい流量制御を実現する。

02羽根車は2種類を使用!

効率のよい流量制御を実現するために1段目に斜流羽根車を、また2~4段目以降には遠心羽根車を使用する。数値流体力学(CFD)に基づき最適形状を決定し、効率を一段と高めている。素材は用途に応じてステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金などを使い分ける。

03増速歯車

ハスバ歯車を使用しており、電動機の回転速度を羽根車の回転速度まで1段で増速する。シェービングによってきわめて精度の高い歯形に仕上げられ、表面硬化処理がなされている。このため振動、騒音共に低く長寿命の設計になっている。

04高速ロータ

高速ロータは、増速歯車の小歯車と一体の軸で、その両端に羽根車が取り付けられている。材料はクロムモリブデン鋼で、熱処理によって強度が確保されている。専用のバランシングマシンによって動的バランスを取り、きわめて振動の少ない安定した運転を可能にしている。

05軸受

炭素鋼にアルミニウムまたはホワイトメタルなどを裏張りしたもので、川崎重工が長年にわたって開発したティルティングパッドを用いているため、高速回転時も優れた安定性を発揮する。

MGM蒸気圧縮機の動力源であるモータを蒸気タービンと連結して回し、蒸気を無駄なく活用する仕組みもできる

Kawasakiの技!

応用展開で革新的な省エネを蒸気圧縮機を活用したMVRシステムの例

MVR型蒸発装置とは、自己蒸気機械再圧縮型(Mechanical Vapor Recompression)の蒸発装置。図はMVRシステムの一例だが、製品を濃縮する際、多くの場合はボイラからの熱源を使う。しかしMVRシステムでは濃縮塔(蒸留塔)から排出された低圧蒸気を蒸気圧縮機によって断熱的に圧縮し、昇圧・昇温した圧縮ベーパー(蒸気)を自身の加熱源として再利用する。蒸気圧縮機が蒸気を圧縮するためのエネルギーは、ボイラで蒸気を発生させるエネルギーに比べて非常に小さいために、エネルギー消費量を大幅に低減できる。見方を変えれば、MVR型蒸発装置は、従来は排気されていた低圧蒸気の蒸発潜熱を蒸気圧縮機で昇温・昇圧して自らのプロセスに再利用することで画期的な省エネルギーを実現できるシステムなのである。

解説

川崎重工業株式会社
機械ビジネスセンター 空力機械部
ブロワ設計課基幹職
青田 雄弘
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