Jul. 2019

Epoch Maker 09

日本の機関車の“大河”を担う

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鉄道輸送の利用拡大、いわゆるモーダルシフトが進んでいる。
このモーダルシフトをけん引しているのが機関車だ。
20世紀初頭の蒸気機関車から始まる日本の機関車の歴史は、
川崎重工の機関車づくりの歴史そのものである。

1913

9600形

大正前半期の貨物用標準機関車として量産された蒸気機関車。「キュウロク」の名で親しまれ、昭和の蒸気機関車終焉の時期まで全国各地で活躍した。1925年までに川崎重工は、国産784両中686両を製造した。

1965

EF65形

電気機関車時代をけん引することとなる直流電気機関車の標準機。EF65形では、高速用の500番代が製造され、最高時速は110kmに向上。電磁ブレーキ指令装置も備えている。

1966

DE10形

列車入換用の量産機。前身のDD51形を改良して1,250馬力機関と高速・低速切換式液体変速機を1組搭載している。従来の入換用機関車よりも軸重を軽減し、支線でも列車をけん引できるようにしながらも、重量を増して入換性能を向上させている。

1992

DF200形

北海道の非電化区間を走る新型の電気式ディーゼル機関車。従来機の1.5倍の出力があり、高速性能を備えている。耐寒・耐雪設備に加え、GPS利用の加速検知装置も初めて装備された。

1996

EF210形

旧国鉄時代に最も量産されたEF65形の置き換え用機関車として開発された。主に東海道・山陽線高速コンテナ列車けん引用機関車として使われ、3,390kwの出力で最高速度は時速110km。1,300tの荷物をけん引できる。

20世紀初頭、官営工場で行われていた機関車製造では、多くの部品を輸入に頼らざるを得なかった。この状況は外貨節約に努める政府の悩みの種であり、早急な完全国産化が悲願となっていた。その期待に応えたのが、川崎重工と汽車製造だ。1972年に汽車製造が川崎重工と合併したことにより、日本における機関車製造の大河は川崎重工が体現することになる。製造拠点の兵庫工場では、2018年12月に機関車製造累計5,000両を達成した。

機関車は、けん引する貨車や客車の重量などにより、大型から小型まで様々なタイプが設計される。オーダーメードのものづくりが、機関車をより精緻で高性能なものにしていった。蒸気機関車は、国内商用向けでは1953年に製造された「川崎製鉄千葉25tC」が最後となり、主役の座は電気機関車へと移る。後背に急峻な山々が迫る日本の国土では、電気機関車にも急勾配を登り切る力と旅客運行を阻害しない高速性能が求められた。

多くの課題への挑戦が、多くの先進性能を生み出していったのだ。そして、5,000両目の記念すべき車両となったのは、JR貨物の主力機として100両以上の実績があり、先進性能を誇るEF210形だった。1,000tを超える荷物を引き、時速100kmを超えるスピードで疾走していく機関車を目にすれば、否が応でも技術の重層さを実感せざるを得ないのである。

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