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超低床電池駆動路面電車(LRV)「SWIMO」の開発について搭載用電池の実用化に目処、走行試験へ

2006年06月14日

 



  川崎重工は、次世代LRV※1「SWIMO(スイモ)※2」開発の核となる車載用ニッケル水素電池「ギガセル」の実用化に目処をつけ、今年8月に「ギガセル」を搭載した電車の走行試験を実施します。

当社が開発中の「SWIMO」は、車載用「ギガセル」電池を備え架線を不要とする超低床電池駆動LRVであり、国内全地域を対象としています。現在2007年内の実験車両製作を目指し、開発を進めています。今年8月に予定している電池駆動走行試験は、筑豊電鉄(北九州)より譲り受けた2103形車両に、開発した車載用「ギガセル」を搭載して各種性能確認を行います。

「SWIMO」の主な特長は、次の通りです。
(1) 人に優しい
「SWIMO」は、床と乗降場の段差を極力小さくした、超低床バリアフリー電車です。特に客室の床は全面平坦であり、多彩なシートアレンジが可能です。この超低床を実現するため、キーテクノロジーとなる台車の開発を進め、すでに基本設計を終了しています。なお、通常床下にある装置類は屋根上に搭載します。
(2) 地球に優しい
他の交通機関と比較し、電車は、エネルギー効率が高くCO2排出量が少ない、地球に優しい乗り物です。通常、電車は架線から電力を取り入れ、モーターを回して走行します。ブレーキ時にはモーターを発電機として使用し、頭上の架線に電力を返し、エネルギー効率を高めています(回生ブレーキ)。しかし、電力を架線に返す能力があっても、回生電力を使う他の電車がいない場合、モーターは発電機として働かず(回生失効)、機械ブレーキに切り替わるため、電車の運動エネルギーは熱となって発散しています。「SWIMO」は、発電したエネルギーを「ギガセル」に蓄え、発車時のモーター駆動や補機の電源として有効に活用することで、エネルギー効率を飛躍的に高めています。
(3) 鉄道事業者に優しい
「SWIMO」は、搭載した電池のエネルギーを利用して、変電所から離れた場合等の架線電圧低下に対応できることから、変電所数を減らし、間隔を広げることが可能で、メンテナンスを軽減できます。さらに、ある程度の距離を架線からの電力供給を受けずに走行でき、非電化区間の走行も可能なことから、一部区間で架線のないシステムを実現することができ、優れた都市景観を作り出すことが可能です。

当社が開発したニッケル水素電池「ギガセル」は、大容量・高速の充放電に最適な電池です。本電池は鉛やナトリウム、リチウムのような有害物、危険物を使用しないことから、環境適合性や安全性に優れるとともに、分解が容易な構造でリサイクル性にも優れています。また、電車に搭載するのみならず、変電所に「ギガセル」を設置し、電圧降下補償や電力ピークカットに利用することも可能です。

当社は、車両製造の豊富な実績をベースに、今後も技術開発を重ね、人や環境にさらに優しい車両の開発を通じて、快適な都市交通の実現や地球環境の改善に貢献していきます。

◇「SWIMO」実験車両概要(計画)


※1 LRV : Light Rail Vehicle
※2 「SWIMO」 : 「Smoothな乗降、Smoothな非電化区間への直通運転を達成する(WIn)移動手段(MOver)」というコンセプトから。

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川崎重工技報
川崎重工グループの多彩な製品と、それらを支える様々な先進技術をご紹介する技術情報誌です。

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