日中共同開発のごみ処理システムが国連機関のブルースカイ賞にノミネート

2010年05月25日

 

 

川崎重工グループのカワサキプラントシステムズの中国CONCHグループとの合弁会社である安徽海螺川崎工程有限公司は、CKKシステム(CONCH Kawasaki KILN SYSYTEM)の高い環境性能・省エネ効果が評価され、「国連工業開発機関(UNIDO※) ブルースカイ賞」にノミネートされました。本賞ノミネートに伴い、2010年5月26日、上海万博の特別イベントにおいて紹介講演を行います。

「国連工業開発機関 ブルースカイ賞」は、国連工業開発機関が再生可能エネルギー分野において新興国で最も投資価値のある先端技術を表彰するものであり、発展途上国における再生可能エネルギー実用化の普及を目的としています。
今回、安徽海螺川崎工程有限公司のCKKシステムは、世界最高レベルの環境・省エネ効果を発揮する新技術として、本賞にノミネートされました。

CKKシステムは、既存のセメントプラントにごみ焼却炉を併設することにより、セメント製造工程とごみ処理工程を一体化させ、ごみの無害化・減量化・再資源化を図るシステムです。本システムは、ごみ焼却炉で発生したガスや灰をセメント製造工程の燃料として使用するため、燃料消費量を約5~20%削減することができ、CO2換算で年間16万トン相当の地球温暖化ガスの発生を抑制することが可能です。また、ごみ処理の際に発生するダイオキシン等の有害物は、セメント焼成工程において高温で無害化されるため、有害物処理専用の設備を必要とせず、建設コストは日本の従来型ごみ処理施設の約10分の1程度です。

カワサキプラントシステムズは、中国セメント最大手のCONCHセメント(世界第三位)を擁するCONCHグループとの合弁事業として、中国安徽省に安徽海螺川崎工程有限公司をはじめとする合弁3社を設立し、中国における環境・省エネルギー事業を積極的に展開しています。
CKKシステムは、当社が長年磨きあげてきたごみ処理技術およびセメントプラント技術と、合弁パートナーであるCONCHセメントのセメントプラントにおける運転ノウハウを融合させることにより実現した画期的な環境・省エネルギーシステムです。

安徽海螺川崎工程有限公司は、合弁パートナーであるCONCHセメントのセメント工場にて、ごみ処理量600トン/日(300トン/日×2炉)の実証機を建設中であり、第一期工事(300トン/日×1炉)は完了し、商業運転に向け試運転調整中です。今後は、中国をはじめ世界各国でニーズが顕在化している汚泥処理についても、CKKシステムの適用を検討しております。当社および安徽海螺川崎工程有限公司は、今後も環境・省エネ製品を開発・普及させることに努め、地球環境に貢献していきます。

国連工業開発機関(UNIDO):技術協力活動等により、途上国の工業化を促進する国連の専門機関。