新開発の「M7A-03D」ガスタービン搭載発電設備を初納入

2009年09月03日

 

 

川崎重工は、欧州のガスタービン販売・サービス拠点であるカワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社(Kawasaki gas Turbine Europe GmbH、ドイツ・フランクフルト)を通じて、ドイツのE.ONバイエルンヴェルミ社向けに、「GPB80D」型ガスタービン発電設備を納入しました。本発電設備は、当社が新開発した7,000kWガスタービン「M7A-03D」を駆動源としており、これは「M7A-03D」の初納入になります。

今回納入したガスタービン発電設備は、フランクフルトの南東60kmにあるフリッパ製紙ミルテンベルグ工場(ミルテンベルク市)に設置されたもので、E.ONバイエルンヴェルミ社がBOO(※1)事業者として同工場に電力と蒸気を供給するためのコージェネレーション設備として使用されます。本設備の導入により、CO2の排出量が年間約17,000トン削減され、同工場において環境保全に配慮したエネルギー供給システムが構築されることになります。
また、このコージェネレーション設備においては、ガスタービン発電設備によって発生する電力に加えて、ガスタービン発電設備の排気ガスを利用して、排熱回収ボイラで排熱を蒸気として回収することにより、総合効率は80%以上に達します。

新開発の「M7A-03D」ガスタービンを搭載した「GPB80D」ガスタービン発電設備は、すでに市場で高い評価を得ている「GPB60D」、「GPB70D」ガスタービン発電設備をベースに開発し、「GPB70D」に比べ、出力で約10%、熱効率で2.9ポイントの性能アップを達成しています。
今回の当社製ガスタービン発電設備の採用は、ガスタービン発電設備の優れた環境性能やライフサイクルコストはもとより、「GPB80D」の高い総合効率に表わされる当社の技術力と、世界各地における豊富な実績等が総合的に高く評価されたものです。

欧州では、EUによる環境規制の強化などから、今後もガスタービン発電設備の需要が増加することが期待されます。
当社は、今回の納入を機に、カワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社を通じて欧州における更なるガスタービン発電設備の市場開拓を強化します。また、欧州ほか、米州、東南・南アジア、中東、日本を含むアジア極東地域においても現地販売拠点を活用し、世界5極体制により事業を積極的に展開していきます。

※1 BOO (Build Own Operate)
民間事業者が自ら資金を調達して施設を建設し、一定期間の管理および運営を行うこと。