H-IIAロケット15号機用フェアリングを出荷

2008年08月26日


川崎重工は、H-IIAロケット15号機用衛星フェアリング※1を、種子島宇宙センターに向けて出荷しました。本衛星フェアリングは、当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造を経て、播磨工場(兵庫県播磨町)にて組立を行ったもので、種子島宇宙センターで打ち上げを執行する三菱重工業(株)に納入され、同社のH-IIAロケット15号機に組み込まれます。なお、同ロケットは今冬の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

今回出荷した衛星フェアリングは、直径4メートルのシングル・タイプ(4S型)で、この中に大型衛星が1機組み込まれます。また、収容できる衛星の大きさは、米国スペースシャトルや、欧州のアリアンVロケットと同等です。H-IIAロケット15号機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立環境研究所及び環境省の共同プロジェクトである温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT※2」を搭載するほか、同機構の小型衛星および同機構が公募・選定した大学や企業の小型衛星7機を相乗りさせる計画です。

当社は、1988年にH-IIロケット向けに衛星フェアリングを納入したのを皮切りに、H-IIロケット向けは計7機分を納入しています。H-IIAロケットにおいても、4メートル・シングル・タイプ(4S型)、4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)、5メートル・シングル・タイプ(5S型)の各種衛星フェアリングを開発・製造し、計14機分を納入した豊富な実績を持っています。

当社が開発・製造してきた各種H-IIAロケット用衛星フェアリングは、大型衛星や2基の衛星の同時打上げなど多様な打上げ需要に対応できます。当社は今後も衛星フェアリングの開発・製造を通して、我が国の衛星打上げビジネスに、積極的に貢献していきます。

□H-IIAロケット15号機用衛星フェアリングの概要

4メートル・シングル・タイプ(4S型)
全長 12メートル
直径 約4.1メートル
搭載できる衛星 長さ約10.2メートル、直径3.7メートルまでの衛星

※1:衛星フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、音響(振動)などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。これは大気圏外に達した後に左右に2分割して衛星を分離します。
※2:GOSAT(Greenhouse gases Observing SATellite )は、宇宙から温室効果ガスの濃度分布を観測する人工衛星です。亜大陸規模での温室効果ガス吸収・排出量の精度を高め、地域ごとの吸収・排出状況の把握や森林炭素収支の評価などの環境行政に貢献することを目的としており、宇宙航空研究開発機構、国立環境研究所、環境省の共同プロジェクトです。