ロールス・ロイス社の最新鋭旅客機用エンジン「TRENT1000」日本初の運転試験を開始

2008年07月16日

 

 

 

 

 

川崎重工は、ボーイング社(米国)の新型旅客機「787ドリームライナー」に搭載される、ロールス・ロイス社(英国)の最新鋭旅客機用エンジン「TRENT1000」の運転試験を当社明石工場にて開始しました。

今回の運転試験は、「TRENT1000」の開発試験の内、エンジンの成熟度を高める試験(マチュリティ試験)で、商用運航前に数千時間の運転試験を行うことにより、その性能や耐久性を確認する重要なプログラムの一環です。本試験用のエンジンはロールス・ロイス社で組立てられ、本年6月末に当社に搬入されました。「TRENT1000」として初めて日本の地を踏み、日本で初めての運転となります。なお、今回の試験は11月末まで行う予定です。

当社は、ロールス・ロイス社の旅客機用エンジン「TRENT1000」の開発・生産プログラムに参画し、中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計・製造・組立及びエンジン運転試験の一部を担当しています。2005年10月よりIPCドラムなど部品単位で納入しており、2006年8月からIPCモジュールとして出荷しています。

「TRENTシリーズ」は現在4機種をラインアップし、これまで約1,700台の受注実績を持つロールス・ロイス社の主力旅客機用エンジンです。「TRENT1000」は、「TRENTシリーズ」の最新モデルとなる推力53,000~75,000ポンドの最新鋭旅客機用エンジンで、2007年に型式証明を取得しました。同エンジンは、ボーイング社の「787ドリームライナー」への搭載が決定し、すでに世界のエアラインから受注を獲得しており、同エンジンが搭載された「787ドリームライナー」の就航は2009年を予定しています。

当社とロールス・ロイス社は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防需航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で緊密な協力関係を築いています。
特に、旅客機用エンジンの分野では、同社の「RB211」(B747/B767用)、「TRENT700」(A330用)、「TRENT800」(B777用)、「TRENT500」(A340-500/600用)などの開発・生産プログラムに当社が参画しているほか、「V2500」(A320シリーズ用)の国際共同開発・生産事業についても両社共に参画しています。また、当社は「TRENTシリーズ」を運転できるテストセルを当社明石工場に有しており、「TRENT500」および「TRENT800」の運転試験を担当した実績があります。

今後とも当社は、エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進めるとともに航空機用エンジンの開発・生産プログラムへ積極的に参画するなど、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。