日本下水道事業団より磁気浮上式高速電動機直結単段ターボブロワ「川崎MAGターボ」を受注

2008年04月23日


川崎重工は、地方公共団体の下水道事業に関して技術的代行・支援を行う唯一の公的機関である日本下水道事業団より、香川県中讃流域下水道大束川浄化センター向けに、自社開発した磁気浮上式高速電動機直結単段ターボブロワ「川崎MAGターボ」を受注しました。

香川県中讃流域下水道大束川浄化センターでは、2004年度からの5ヵ年で、施設の老朽化に伴う改築更新プロジェクトをすすめています。このたび当社が受注したのは、現在稼動中の下水曝気用ブロワ3台のうち2台を撤去し、新たに設置する「川崎MAGターボ」2台の機器製作・据付工事で、2008年9月末に引渡す予定です。

今回受注した「川崎MAGターボ」は、インバータ制御式高速電動機のローターに羽根車を直接取り付けた構造と、高速電動機の軸受に電磁石の磁力を利用してローターを浮上させる磁気軸受を採用することにより、機械的非接触を保ちながら高速回転を実現しています。これにより潤滑油・冷却水の供給が不要となりメンテナンス性が向上するとともに、高効率・省エネによりCO2排出量を抑制し、地球環境保全に貢献します。

当社は、1972年に国内ではじめて歯車増速式単段ブロワを下水曝気用に納入して以来、これまでに200台を越す豊富な納入実績を持ち、下水曝気用単段ブロワメーカーとして高い信頼を得ています。また2005年に自社開発した「川崎MAGターボ」は、磁気軸受や高速同期電動機の採用による効率向上、インバータによる回転速度制御とインレットベーン制御の組合せによる広い制御範囲と高い部分負荷効率の両立、ブロワ・高速電動機・制御盤のコンパクトなパッケージ化など従来の下水曝気用ブロワにはない新たな機能が高く評価され、年々受注実績を伸ばしています。

全国各自治体の下水処理施設において老朽化施設改築更新プロジェクトが増えるとともに、下水処理施設における電力消費量の30~40%を占める下水曝気用ブロワに対する高効率化・省エネルギー化のニーズが年々高まっています。当社はこれらのニーズに応えるため、省エネルギー化に向けさらなる技術開発に取り組んでいきます。