H-IIAロケット13号機用フェアリングを出荷

2007年06月11日


川崎重工は、H-IIAロケット13号機用フェアリング※1を当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造、播磨工場(兵庫県播磨町)での組立作業を経て、播磨工場から宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターに向けて出荷しました。本フェアリングは種子島宇宙センターでH-IIAロケット13号機に組み込まれます。なお、同ロケットは今年夏の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

今回出荷したフェアリングは、直径4メートルのシングル・タイプ(4S型)で、この中に大型衛星が1機組み込まれます。また、収容できる衛星の大きさは、米国スペースシャトルや、欧州のアリアンVロケットと同等です。H-IIAロケット13号機は、月周回衛星(SELENE※2)を搭載します。

当社は、1988年にH-IIロケット向けにフェアリングを納入したのを皮切りに、H-IIロケット向けは計7機分を納入しています。H-IIAロケットにおいても、4メートル・シングル・タイプ(4S型)、4メートル・デュアル・タイプ (4/4D型)、5メートル・シングル・タイプ(5S型)の各種フェアリングを開発・製造し、計12機分を納入した豊富な実績を持っています。

当社が開発・製造してきた各種H-IIAロケット用フェアリングは、大型衛星や2基の衛星の同時打上げなど多様な打上げ需要に対応できます。当社は今後もフェアリングの開発・製造を通して、我が国の衛星打上げビジネスに、積極的に貢献していきます。

□H-IIAロケット13号機用フェアリングの概要
4メートル・シングル・タイプ(4S型)
全長 12メートル
直径 4.1メートル
搭載できる衛星 長さ約10.4メートル、直径3.7メートルまでの衛星

※1:フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、音響、振動などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。これは大気圏外に達した後に左右に2分割して衛星を分離します。
 
※2:SELENE(SELenological & ENgineering Explorer)は、宇宙航空研究開発機構が開発した我が国で初めての月周回衛星で、月の起源と進化の解明を目指した月全域の高精度な観測と、将来の月探査に必要となる基盤技術の実証のために15種類のミッション機器を装備した3トン級の大型衛星です。