低床電池駆動路面電車(LRV)「SWIMO」の開発に向けた電池駆動路面電車走行試験に成功

2006年08月30日

 

 
 
電池駆動走行試験用電車(筑豊電鉄譲受車両)   低床電池駆動路面電車(LRV)「SWIMO」
※開発中

  川崎重工は、次世代LRV※1「SWIMO(スイモ)※2」の開発に関し、車載用ニッケル水素電池「ギガセル※3」による路面電車の電池駆動走行試験に成功しました。

今回の走行試験は、筑豊電鉄より譲り受けた2103形車両に「ギガセル」を搭載し、当社兵庫工場構内(兵庫県神戸市)で実施したものです。当社は、本試験により開発中の「SWIMO」へ搭載する「ギガセル」の基本性能を確認するとともに、追加充電なしに10km以上走行できることを実証しました。

当社が開発したニッケル水素電池「ギガセル」は、大容量・高速の充放電に最適な電池です。本電池は鉛やナトリウム、リチウムのような有害物、危険物を使用しないことから、環境適合性や安全性に優れており、分解が容易な構造でリサイクル性にも優れています。

当社が開発を進めている「SWIMO」は、車載用「ギガセル」を搭載し回生電力を利用することによりエネルギー効率を飛躍的に高め、低床バリアフリー構造を採用した、人にも地球にも優しい車両です。今回の走行試験成功により、「SWIMO」への「ギガセル」搭載に目処をつけ、今後は低床を実現するためのキーテクノロジーである台車および車両全体の詳細設計を行い、2007年内の初号車(実験車両)完成を目指していきます。

電車は、他の交通機関に比べてエネルギー効率が高く、CO2排出量も少ないことから、地球環境問題が深刻化する中、環境に優しい乗り物として世界各地で見直されています。特に、日本の都市交通においては、環境や市民に優しい都市交通システムとして、次世代のLRVが注目を集めています。
当社は、車両における豊富な実績をベースに、今後も技術開発を重ね、人や環境に優しい車両の開発を通じて、快適な都市交通の実現や地球環境の改善に貢献していきます。

※1 LRV : Light Rail Vehicle
※2 「SWIMO」 : 「Smoothな乗降、Smoothな非電化区間への直通運転を達成する(WIn)移動手段(MOver)」というコンセプトから。
※3 「ギガセル」 : 川崎重工の登録商標です。