鹿島・三菱重工・川崎重工がトンネル分野で共同開発契約を締結
地中拡幅工法・分岐合流工法のシールドマシンの共同開発に着手

2006年02月22日

 

鹿島建設(株)(社長:中村満義)、三菱重工業(株)(社長:佃和夫)、川崎重工業(株)(社長:大橋忠晴)の3社はこのたび、非開削によるシールドトンネルの地中拡幅・分岐合流施工技術を共同で開発する契約を締結、シールドマシンの開発に着手しました。

近年、都市部にトンネルを構築する際に、シールドトンネルの大深度化・長距離化・大断面化が加速する一方、用地確保の困難さや施工時の周辺環境に対する配慮から、非開削工法による地下空間の利用技術開発が必要となっています。特に、従来は開削工法を採用してきた共同溝の連結部分や道路トンネルのランプ・非常駐車帯の拡幅や複数の鉄道や道路トンネルを分岐・合流を開削せずに構築する技術が強く求められるようになっています。

従来、これらの技術は、個々の総合建設業(ゼネコン)、シールドマシンメーカー、セグメント(トンネル覆工)メーカーそれぞれが独自で開発を進めてきましたが、効果的かつ迅速に技術開発を進めるため、総合的な共同開発体制の構築が必要となってきたものです。

今回の3社による共同開発では、鹿島建設が保有するシールド建設の総合技術、三菱重工および川崎重工の持つシールドマシンの総合技術を全面的に融合し、一刻も早い非開削による地中拡幅・分岐合流施工技術の開発・実用化に取り組んでいきます。具体的には、2006年度中に大掛かりな実証実験を実施する方針で、現在3社技術陣が総力を結集し準備を進めています。

なお、セグメント(トンネル覆工)構造の開発については、別途体制を組む予定です。


(参考資料)

共同開発する具体的な施工技術は、次のとおりです。

(1)地中拡幅工法「VASARA(バサラ)工法」
道路トンネルの非常駐車帯などを構築する工法です。任意の場所で補助工法(地盤の凍結や改良)を必要とせずトンネルの幅を拡張することができます。本工法の特徴である「可変幅(VAriable width)」、「省スペース(SAving space)」、「迅速施工(RApid construction)」から、「VASARA(バサラ)工法」と称しています。(VASARA工法の概要は、添付資料―1(PDF)参照)

(2)分岐合流工法
道路トンネルのランプなど分岐・合流部分を構築する工法です。2本のトンネル(本線トンネルとランプトンネル)の接合部において、本線トンネルをD型形状で掘削し、双方のトンネルを接近しやすくさせ、補助工法の低減、用地占有幅の縮小を可能にするものです。本線トンネルを円形からD型形状に断面変化させることから、「D-shape工法」と称しています。(D-shape工法の概要は、添付資料―2(PDF)参照)