H-IIAロケット9号機用フェアリングを出荷

2005年12月08日


川崎重工は、H-IIAロケット9号機用フェアリング※1を当社岐阜工場(岐阜県各務原市)での設計・部品製造を経て、播磨工場(兵庫県播磨町)から宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターに向けて、出荷しました。本フェアリングは種子島宇宙センターでH-IIAロケット9号機に組み込まれます。なお、同ロケットは2006年2月15日の打ち上げに向けて準備作業が進められます。

今回出荷したフェアリングは、直径5メートルのシングル・タイプ(5S型)で、この中に大型衛星が1機組み込まれます。また、収容できる衛星の大きさは、米国スペースシャトルや、欧州のアリアンVロケットと同等です。H-IIAロケット9号機は、運輸多目的衛星新2号(MTSAT-2※2)を搭載します。当社はフェアリングの開発・製作に加えて、衛星分離部も担当しています。

当社は、1988年にH-IIロケット向けにフェアリングを納入したのを皮切りに、H-IIロケット向けは計7機分、H-IIAロケットにおいても、試験機1号機向け4メートル・シングル・タイプ(4S型)、試験機2号機、3号機、5号機および6号機向け4メートル・デュアル・タイプ(4/4D型)、4号機、7号機、8号機向け5S型の各種フェアリングを開発・製造した豊富な実績を持っています。

当社が開発・製造してきた各種H-IIAロケット用フェアリングは、大型衛星や2機の衛星の同時打上げなど多様な打上げ需要に対応できます。当社は今後もフェアリングの開発・製造を通して、我が国の衛星打上げビジネスに、積極的に貢献していきます。

・H-IIAロケット9号機用フェアリングの概要
5メートル・シングル・タイプ(5S型)
全長12メートル
直径5.1メートル
搭載できる衛星長さ約9.1メートル、直径4.6メートルまでの衛星

※1:フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空力加熱、振動などの過酷な環境から衛星を保護するためのものです。これは大気圏外に達した後に左右に2分割して衛星を分離します。
※2:MTSAT-2(Multi-functional Transportation Satellite-2)は、2005年2月26日にH-IIAロケット7号機にて打ち上げられた「ひまわり6号(MTSAT-1R)」と同様、航空管制と気象観測の機能を併せ持ち、私たちの日々の生活に密着した実用衛星です。「ひまわり6号(MTSAT-1R)」とMTSAT-2の2機体制による運用は、宇宙からの航空管制および気象観測をさらに信頼性の高いものにします。