シンガポール地下鉄工事向け岩盤対応型のシールド掘進機4基を受注

2004年10月14日

川崎重工は、シンガポールの地下鉄建設工事サークルライン854工区に投入されるシールド掘進機4基を大成建設株式会社より受注しました。今回の受注は、昨年12月に同じくシンガポール地下鉄建設工事(853工区)向けに同社から受注した4基に続く、追加受注になります。なお、シールド掘進機の納期は、2005年4~6月の予定です。

今回受注した掘進機は、泥水シールド掘進機(直径6.63m)4基で、現在シンガポール国土交通局(Land Transport Authority:LTA)が進めている地下鉄サークルライン建設工事(全長約33kmの環状線)のうち、マリーマウント駅からファーラー駅に至る工区に投入され、上下線全長約5.4kmを掘削します。なお、同工区は2008年9月に完成の予定です。

今回受注した泥水シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術と岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を融合した岩盤対応型の掘進機で、複雑な土質を1台の掘進機で掘削します。また本機では、当社独自のカッター交換方式を採用したほか、曲線部の掘削に対応するため中折れ式を採用するなど、工区特性に合わせた仕様としています。

当社は、シールド掘進機に関して、これまでにシンガポール向けに3基、国内外で1,300基以上のシールド掘進機・TBMの納入実績を持っています。また、昨年11月には韓国のソウル地下鉄9号線建設工事向けの泥水シールド掘進機を1基、12月には同じくシンガポール地下鉄建設工事向けに泥土圧および泥水シールド掘進機を4基受注しており、今回の受注は当社の高い技術力と豊富な実績が高く評価されたものです。

シンガポールではLTAが引き続き地下鉄建設工事を計画するなど、地下工事の増加が予想され、今後もシールド掘進機の発注が見込まれます。また、中国では2008年の北京オリンピック開催を控え、上海、北京、広州、ハルピン、武漢、成都などの大都市を中心に複数の地下鉄建設工事が計画され、韓国でも鉄道・地下鉄・電力溝等のトンネル工事の計画があり、アジア市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が見込まれています。

今回の受注を機に、当社は今後も国内外を問わずシールド掘進機・TBMの営業展開を強力に推進していきます。

なお、今回の契約概要は以下のとおりです。

 □シンガポール地下鉄建設工事向けシールド掘進機契約の概要
    
1.施 主:シンガポール国土交通局(LTA)
2.施 工 者:大成建設株式会社
3.機 種:掘削径6.63m 岩盤対応型泥水シールド掘進機(中折れ式) 4基
4.契約範囲:シールド掘進機の設計・製作・海上輸送など