首都高速中央環状新宿線トンネル工事向けシールド掘進機を完成

2003年09月04日

川崎重工は、飛島・三井住友・日本国土特定建設工事共同企業体より受注した、直径11.56m泥水式シールド掘進機(中折れ型)を完成させました。本機は、首都高速道路公団が建設を進めている中央環状新宿線のうち、西新宿~本町間トンネル工事に使用されます。

本機は播磨工場にて完成後、一旦解体し現地へ輸送し、平成15年10月に現地にて再度組立てられ中央環状新宿線のうち、西新宿立坑から内廻りトンネルの掘削を開始し、本町でUターンした後、外廻りトンネルを掘削する予定です。なお、本工区は総掘削距離1,520mになります。

今回完成した泥水式シールド掘進機では、シールドジャッキ圧力制御による方向制御方式(フレックスシステム)を採用しています。各シールドジャッキの圧力制御が可能な制御弁を設けたことで、従来のジャッキ選択による方向制御方式よりも、セグメントにかかる偏荷重を抑えることができ、より正確な方向制御が可能になるという特長を持ちます。また、中折れ装置を採用しており、最小曲線半径270mのカーブでの曲進施工も可能です。

この泥水式シールド掘進機が使用される中央環状新宿線は、首都高速道路公団が平成18年度内に完成を予定している、目黒区青葉台から豊島区南長崎までの約11kmの路線で、ほぼ全線が地下トンネルになる新線です。本線の建設は、渋谷、新宿、池袋の3大拠点間の移動を容易にするとともに、現在の一点集中型のネットワークを形成している首都高速道路の慢性的な渋滞の解消を目的としたものです。

当社は直径10mクラス以上の大口径シールド掘進機の分野において、30%以上のトップシェアを有しています。特に海外では英仏海峡トンネル用トンネル掘削機、国内でも東京湾アクアライン、神田川地下調節池掘削用シールド掘進機をはじめ、数多くの製作実績があります。

今後も当社はトンネル掘削機の分野において、社会・市場ニーズに加え環境に配慮した製品の開発・販売に努め、積極的な事業展開を進めていきます。