新船首形状"SEA-ARROW"を採用したLPG運搬船「CRYSTAL MARINE」の引き渡し(川崎造船)

2003年06月30日


川崎造船は、6月30日、坂出工場において、LPG運搬船"CRYSTAL MARINE:クリスタル マリン"(第1518番船)をKUMIAI NAVIGATION (PTE)LTDに引渡します。

本船は、当社が独自開発した推進性能を大幅に高める革新的な船首先端形状"SEA-ARROW"を採用した最初のLPG運搬船になります。

本船の主要目ならびに特長は次の通りです。

1. 主要目  

全長 227.50 m

長さ(垂線間長) 222.00 m

幅(型) 37.20 m

深さ(型) 21.00 m

満載喫水(型) 11.20 m

総トン数 45,801 t

載貨重量 53,395 t

貨物タンク容量 80,138 m3

主機関 川崎-MAN B&W 7S60MC-Cディーゼル機関×1基

  連続最大出力 14,000kW×94回転/分

航海速力 約17.0ノット

定 員 29名

船級 日本海事協会(NK)

船籍 シンガポール



2.特長

1) 本船は、当社の豊富なガス船の設計/建造実績に裏付けられた信頼性の高い船体構造と、機能的かつシンプルな艤装設計が採用された最新鋭の大型LPG船です。
2) LPG船に代表される中速船用に開発した新船首(SEA-ARROW)の初適用船であり、船が航走する際に造る船首波による抵抗を極限まで減少させ推進性能の大幅向上を図っています。
また、海上試運転にてその性能を確認しております。
3) 低温で液化された石油ガスを積むため、船体とは独自に低温収縮を吸収できる防熱された独立型貨物タンクを4区画の船倉内に4基設けています。
4) 貨物タンクには、-46℃までの低温液化石油ガスを積み込むことがでるように低温用特殊鋼材が使用され、周囲は発泡ウレタンを用いた防熱が施されています。
5) 主機関には、省燃費型の超ロングストローク2サイクル低速ディーゼル機関が採用されており、加えて上述の新船型(SEA-ARROW)の適用および川崎フィン付ラダーバルブによる推進性能の大幅向上により、燃料消費量の大幅低減が図られています。
6) 主機起振力の低減、プロペラ設計への配慮等の振動対策が施されており、海上試運転において振動が非常に少ないことを確認しております。