中国・天津地下鉄1号線向け泥土圧式シールド掘進機を完成

2002年07月25日


川崎重工は、この度中国の天津地下鉄1号線延長工事向けの泥土圧式シールド掘進機(直径6.34m)を、当社播磨工場にて完成しました。

この掘進機は昨年末に当社が神鋼商事と共同で天津外総集団有限公司より受注したもので、当社は本体の製作と、現地据付指導技師派遣および客先のトレーニングを担当しています。なお、この掘進機は天津への輸送のため工場にて解体し、天津港にて客先に引渡し後、天津市内の地下鉄延長工事現場にて客先による据付工事が行われる予定です。

今回完成した泥土圧式シールド掘進機は、現在天津市が進めている地下鉄1号線延長工事(8駅から23駅、総延長7.4kmから27kmに延長)のうち、地下1工区(約1.4km)の掘削工事に投入されます。この工事では、1基のシールド掘進機をUターンさせ、上り線、下り線の計2.8kmを掘削します。

泥土圧式シールド掘進機は、掘削された土砂に添加剤を注入して掘削土に塑性流動性を与え、カッターチャンバー内に掘削土を充満することで切羽を安定させながら掘削する機械です。また、今回受注した掘進機には、赤外線を用いた自動測量装置を搭載しており、より精度の高い掘削工事を実現できます。

中国のシールド掘進機、TBM(トンネル・ボーリング・マシン)市場は、2008年の北京オリンピック開催を控えて、上海、北京、広州、ハルピン、武漢、成都などの大都市を中心に複数の地下鉄建設工事が計画されるとともに、長江から北部地域へ生活用水を供給する南水北調などの大規模な土木工事も計画されており、中長期的に安定した需要が見込まれています。

これまでに当社は中国市場にて、1984年の上海市下水道工事向け、1996年の広州地下鉄工事向けにシールド掘進機を各1基納入した実績を持ち、今回のシールド掘進機の納入が3基目となります。また、当社は国内外を問わずシールド・TBM掘進機の営業展開を強力に推進しており、これまでに1,300基以上のTBM・シールド掘進機の豊富な納入実績を持ちます。当社は、今回の天津地下鉄向けシールド掘進機の実績をもとに、中国市場についても果敢に営業展開を図っていきます。