油圧機器および油圧システム事業における業務提携について

2002年02月13日

カヤバ工業株式会社と川崎重工業株式会社はこの度、油圧機器および油圧システム事業について業務提携を締結することに合意し、本日その協定書に調印しました。

油圧機器および油圧システムの国内市場は1997年度の3,000億円規模から急激に減少し、現在は年間2,000億円規模になっています。これは日本経済全体の不況に加えて、大手ユーザによる油圧機器の内製化、油圧駆動から電気駆動へのシフト、需給インバランスによる価格下落などの構造的要因によるものであり、今後とも大きな回復は期待できない状況です。
また欧米では油圧機器・システムメーカ間の活発な合従連衡を通じて、経営規模の拡大による競争力の強化が図られており、一部の日本企業もこれら欧米大手グループの中に組み込まれつつあります。

このような厳しい事業環境の下で、世界市場で勝ち残り、発展を確実にするためには事業体質の強化が急務です。したがって、両社が協力してこれに取組むことにより、それぞれが単独で行なうことに比べ、はるかに大きな成果が早期に得られると判断し、提携の運びとなりました。

この業務提携は、両社が、これまで培ってきた技術力、ブランド力を基盤に、リーディングメーカとして将来に向けて着実に発展していくことを共通の目的としています。
そのために、両社の経営の自主性を尊重しつつ、相互に経営資源を補完し、幅広い分野で協力関係を構築することにより、事業の効率化と技術競争力の強化を図って参ります。

具体的には、以下のことを目指します。

(1) 海外市場における販売…両社の持つ海外販売網の相互活用や製品の補完など
(2) 設計・開発…業務の効率化や品質向上のための技術交流や将来製品の開発分担など
(3) 資材調達…市場情報の共有化による業務の効率アップ
(4) 生産技術・生産管理…相互の優れた技術の交換
(5) アフタサービス…サービスネットの相互乗り入れなど


両社は今後、この調印を受けて、上述した具体的な協力を速やかに実行・推進し、製品競争力および技術開発力を強化するとともに、製品の信頼性を一層向上させることにより、市場の期待に応えていく所存です。