海洋科学技術センター向け地球深部探査船用大型舶用推進機7基を納入

2002年01月10日


川崎重工は、三井造船から受注していた、海洋科学技術センター向け地球深部探査船用大型舶用推進機7基を納入しました。これらの推進機は、当社としては最大型式となる川崎レックスペラ2基、昇降コンテナ式川崎レックスペラ4基および川崎サイドスラスタ1基で構成されています。なお舶用推進機を7基搭載して推進、定点保持を行なう船は、国内船では初めてです。

地球深部探査船は、水深2,500m(将来は4,000m)の海域で海底を掘削することが可能な科学掘削船です。最終的にマントルへの到達を目指すもので、掘削装置の他、洋上での船の位置を保持するDPS(Dynamic Positioning System)などの先端技術を駆使した装置が搭載されています。

今回納入した7基の舶用推進機は、地球深部探査船が海底を掘削・探査する際に使用され、各推進機はDPSから信号を受けて、船体が風や潮流に流されないように、船体を所定位置に保持します。

川崎レックスペラは、水平面内360度の任意の方向に推力が出せる旋回式スラスタで、推進機、舵取機およびサイドスラスタの機能を合わせ備えています。昇降コンテナ式川崎レックスペラは、運転時にはプロペラ部を船底から突き出し、運転時以外は装置全体を引き上げてプロペラ部を船内に格納できます。また、川崎サイドスラスタは横方向の推進装置で、定点保持に使用する他、港内での離接岸における操船性向上のために広く使用されています。

今回の受注は、当社製舶用推進機の高い操船能力と信頼性が評価されたものです。今後とも当社は、川崎レックスペラ、川崎サイドスラスタを中心とする舶用推進機の分野において、積極的な事業展開を図っていきます。

なお、納入した7基の舶用推進機の概要は以下のとおりです。

製品名 川崎レックスペラ 昇降コンテナ式川崎レックスペラ 川崎サイドスラスタ
型式 KST-320LF/A KSRT-320LF/AC KT-255B3F
搭載数 2基 4基 1基
駆動動力 4,200kW 4,200kW 2,550kW
プロペラ径 3.8m 3.8m 2.85m