兵庫県立武道館(仮称)向け国内初の床転換装置を完成

2001年12月11日

川崎重工は、鹿島・新日鉄・神崎・立特別共同企業体から受注した兵庫県立武道館(仮称)第一道場向けの床転換装置を完成しました。本装置は、檜床の剣道場を畳敷きの柔道場に床転換する国内初の武道館用自動搬送設備です。

今回完成した装置は、収納リフター4台、柔道用畳ユニット16ユニット、磁気誘導式無軌道自動走行台車8台および制御装置・操作盤・安全装置で構成されています。柔道場として使用する時は、アリーナ地下に格納されている収納リフターに多段状態で収納されている柔道用畳ユニットをエア浮上させ、無人搬送台車で搬送し、檜床の剣道場の上に自動敷設するものです。

本装置は、1ユニット(32畳)4.5tの自重を持つ畳ユニットをエア浮上させ、床面にレール等を必要としない磁気誘導式無軌道自動走行台車で牽引する方式を採用することにより、床面を傷つけることなく柔道用畳ユニットの敷設を全自動で1時間以内に行うことが可能です。また、4つの畳ユニットで1面が構成される柔道場は、必要に応じて1面から4面まで自由に敷設面を選択できるフレキシブルな設備となっています。

本装置が採用された兵庫県立武道館(仮称)は、武道指導者の育成や選手の養成など、武道の普及・振興はもとより、青少年をはじめ広く県民の体力作りや生涯スポーツの振興に寄与することを目的とし、2002年5月の開館を予定しています。建物は地上2階、地下1階建てで、延べ床面積は14,033.5平方メートル、柔道場または剣道場が第一道場で最多4面、第二道場で最多8面使用できます。

当社は、重量物のエア浮上技術と磁気誘導式無軌道自動走行台車を組み合わせた設備として、2002年サッカーワールドカップ会場に選ばれている札幌ドーム(北海道札幌市)のサッカーフィールドとして利用される「ホヴァリングステージ」を納入した実績を持ちます。また、LNG地上タンク建設において、屋根をタンク底部で組み立てた後、エア浮上により持ち上げて施工する「エアレイジング工法」など、生産・施工技術としてもエア浮上技術を応用した、豊富な実績とノウハウを有しています。

今後とも当社は、最新鋭の重量物搬送技術を活かした付加価値の高い設備の開発・販売に注力していきます。