海浜の清掃・美化作業を行なう「ビーチローダ」を受注

2001年08月30日

川崎重工は、砂浜の清掃・美化作業を行なう「ビーチローダ」を静岡県榛原町から受注しました。今回受注した「ビーチローダ」は、榛原町が管理する海水浴場などの清掃・美化作業に使用される予定です。

海浜の清掃は、通常、自治体や市民団体が人手で行なっていましたが、急増・多様化するゴミの回収には不十分なため、近年、清掃作業の自動化・効率化のためにビーチクリーナーを導入する自治体が増えつつあります。一方、国内で販売されているビーチクリーナーは、ほとんどが輸入品で、メンテナンスやアフターサービスの不便さがあり、また性能面においてもたばこの吸い殻やガラス片、貝殻などの小さなゴミに対応できないという問題がありました。

今回受注した「ビーチローダ」は、当社製ホイールローダと当社破砕機部門の関係会社の川重八千代エンジニアリングが1999年に開発した牽引式ビーチクリーナーで構成されています。本機で使用しているホイールローダは、当社建設機械ビジネスセンターが製造・販売している「AUTHENT 50ZA」です。土木工事・工場内作業から除雪、農業、畜産など幅広い用途に対応する汎用機種で、「ビーチローダ」として使用するために流木などの大きなゴミの回収作業を行なえる特殊アタッチメントを採用しています。

また、牽引式ビーチクリーナーは、国内初の回転羽根方式によるゴミ分別機構を採用したもので、掻き込み部で海浜の表層を耕しながら砂ごとゴミをすくい取り、分別部でゴミと砂を選別、バケット部でゴミのみを回収する機構を用いています。本機は、当社が製造する回転羽根方式の選別機「マルチスクリーン」の優れた分別性能を活かし、独自にビーチクリーナーとして用途開発したものです。

当社はビーチローダの他にも高速走行可能なホイールローダを用いた除雪機など独自のホイールローダに関する技術を有します。今後とも当社は固有の独自技術とグループの総合力を活かし差別化されたホイールローダの拡販に注力していきます。

なお、「ビーチローダ」の特長は以下のとおりです。

□「ビーチローダ」の特長
(1) ビスカスマウントの採用などで防振・防音性能を高めたオペレータールームを採用。快適な作業環境を実現。
(2) 国土交通省(旧建設省)の排出ガス規制値および低騒音基準をクリア。周辺環境に配慮した作業が可能。
(3)砂の湿度に応じて掻き込み羽根の回転数や隙間を変更できる選別機「マルチスクリーン」を採用。たばこの吸い殻や貝殻など小さなゴミから、缶類やビン類に至るまで分別・回収が可能。
(4)回収したゴミは、本体後部に設置された底網式の回収バケットに自動搬送。オペレータールームからのワンタッチ操作でゴミの排出も可能。