英国ヘリオット・ワット大学と自律型無人潜水機用制御システムの共同開発に着手

2015年11月30日

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AUV(イメージ図)

川崎重工は、ヘリオット・ワット大学(英国エジンバラ市)と、海底Oil & Gas分野での活用を目指す、自律型無人潜水機(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)に搭載する制御アルゴリズムの開発のための共同研究に関する契約を締結しました。
研究期間は2015年9月から2019年8月までの4年間で、「AUVによる近距離での水中パイプラインの位置予測のための、複数センサーを使用した融合アルゴリズムの開発」をテーマに研究します。

当社は海底Oil & Gas分野における海底パイプラインのメンテナンス需要に注目しており、長年培った高度な潜水艇関連技術を発展させ、AUVの先進的要素技術の開発に取り組んでいます。本研究では、AUVが複数のセンサーを用いて海底パイプラインを自律的に認識・追跡し、土砂などに覆われた状態でも目標物を見失うことなく、至近距離から検知し続けるためのアルゴリズムの開発とシミュレーションによる実証試験を行います。

共同研究を行うヘリオット・ワット大学の海洋システム研究所は、海底Oil & Gasや再生可能エネルギー分野向け潜水艇の制御技術の研究開発における世界最先端の機関です。同大学のオフショア実フィールドでの豊富な研究実績と、当社が有する潜水艇の製造や水中ドッキングの制御技術、ソフトウエアの開発技術を組み合せ、先進的なAUVの開発を進めていきます。

当社は、2019年8月までの本共同研究以降、2020年度中にAUV実機を製造し、北海等で実証試験を行うことを目指しています。当社は、将来的に需要の伸びが期待できるオフショア分野における研究開発を積み重ね、各種オフショア船・海洋構造物など関連機器の受注・建造に取り組んでいきます。

海洋システム研究所は、ヘリオット・ワット大学とエジンバラ大学が3,500万英ポンド(約65億円)を 出資して設立した「エジンバラ・ロボット開発センター」にある主要研究機関です。主に海洋開発分野における自律システムやセンサー設計、海底における音響システムの解析、海洋科学、再生可能エネルギーおよび港湾警備向けセキュリティーアプリケーションの先端研究を行っています。