エアバス社「A320neo」用エンジン「PW1100G-JM」向け量産初号機用部品の出荷を完了

2015年05月28日

川崎重工は、エアバス社「A320neo」用エンジン「PW1100G-JM」の量産初号機用部品であるFan Exit Stator Assy(ファン イグジット ステイター アッシー:低圧圧縮機前部に搭載される静翼部品)を明石工場から出荷しました。当社は、「PW1100G-JM」エンジンにおいて、IBR(インテグレーテッド ブレーデッド ローター:ブレードとディスクを一体成型した低圧圧縮機回転部品)など低圧圧縮機部の主要部品12点を担当しており、2015年3月に出荷を開始、このほど量産初号機用部品すべての出荷を完了しました。

当社は、プラット・アンド・ホイットニー社(アメリカ)、(一財)日本航空機エンジン協会(以下JAEC)、MTU社(ドイツ)の3社によるエアバス社「A320neo」用エンジン「PW1100G-JM」の国際共同事業において、JAEC構成メンバーとして参画しています。プラット・アンド・ホイットニー社、JAECおよびMTU社が設立した合弁会社International Aero Engines(IAE)が主体となり、2011年に開発を開始し、2014年12月に米国連邦航空局(FAA)から型式承認が交付されました。本エンジンは、先進ギアシステムの採用により、低圧圧縮機および低圧タービンとは異なる低い速度でファンを駆動させることが可能なギアード・ターボファンエンジンで、先進複合材技術や最新の要素技術により、燃費・排気ガス・騒音レベルの改善を図っています。

当社は、今回の開発・生産プログラムにおいて国内シェア25%(全体の約6%)で参画し、低圧圧縮機部の主要部品の開発、生産、整備を行います。本エンジンには、当社独自の先進加工技術が新たに適用され、エンジンの軽量化および燃費改善に大きく貢献しています。

「PW1100G-JM」が搭載される「A320neo」は、民間旅客機で最大の需要が見込まれる120~200席クラスの最新型機で、すでに約4,000機が確定発注されています。そのうちエンジンが選定された機体の約半分に「PW1100G-JM」が選定されています。

今後とも当社は、エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進めるとともに、JAECを事業主体とする航空機用エンジンの共同開発・生産プログラムに積極的に参画するなど、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。

 

【量産初号機用部品を完納(中央はFan Exit Stator Assy)】

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【IBR(ローターブレードとディスクを一体成型した低圧圧縮機回転部品)】

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