シンガポール地下鉄工事向け泥土圧式シールド掘進機5機を完納

2013年07月01日

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川崎重工は、シンガポール地下鉄のダウンタウンライン第3期建設工事に投入されるシールド掘進機5機を完納しました。今回完納したシールド掘進機は、2011年8月に928工区および932工区向けに佐藤工業(株)のシンガポール法人Sato Kogyo (S) Pte.Ltdから3機、2011年10月に930工区向けに韓国のエスケー建設(SK Engineering & Construction)から2機を受注したものです。

今回納入した掘進機は、全て泥土圧式シールド掘進機(直径6.67m)で、現在シンガポール陸上交通庁(Land Transport Authority:LTA)が進めている地下鉄ダウンタウンライン第3期建設工事(全長21km)のうち、Bedok North(べドック・ノース)駅からKaki Bukit(カキ・ブキ)駅(928工区)、Ubi(ウビ)駅からMacPherson(マクファーソン)駅(930工区)、Mattar(マター)駅からGeylang Bahru(ゲイラン・バル)駅(932工区)に至る3つの工区に投入され、あわせて上下線全長約6kmを掘削します。これらのトンネル掘削工事は、2014年3月頃に完成の予定です。

泥土圧式シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術と、岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を融合した岩盤対応型の掘進機で、複雑な土質を1機の掘進機で掘削します。本機では、当社独自のカッター交換方式を採用し、土質に応じたカッターを装備できるようにしたほか、曲線部の掘削に対応するために中折れ方式を採用するなど工区特性にあわせた仕様としています。

当社は、今回の納入分もあわせて、シンガポール地下鉄のダウンタウンライン向けにシールド掘進機10機、また超高圧送電線トンネル用の岩盤対応型泥水式シールド掘進機5機を受注するなど、これまでシンガポール向けに22機、国内外では約1,400機のシールド掘進機・TBMの受注実績を有しています。今回の案件は、当社の高い技術力と難易度の高い地質での豊富な実績が高く評価されたものです。

シンガポールでは、地下鉄トムソンライン建設工事計画(全長30kmx2本)など地下工事の増加が予想され、今後もシールド掘進機の発注が見込まれます。また、インド、ベトナム、中近東等でも地下鉄建設工事が計画されており、アジア市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が見込まれています。

当社は、今後も国内外を問わずシールド掘進機・TBMの営業展開を積極的に推進していきます。