アブダビ下水道工事向け泥土圧式シールド掘進機3基を完納

2012年04月19日

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川崎重工は、アラブ首長国連邦アブダビ首長国の下水道建設工事向けシールド掘進機3基を完納しました。今回完納したシールド掘進機は、2011年3月にSamsung C&T Corporation(韓国)から、中東地域向けとしては初めて受注したものです。当社は初号機となる同掘進機を2011年12月に納入し、このほど最終号機を播磨工場(兵庫県播磨町)で完成させて現地へ輸送しました。最終号機は今後現地にて再度組立てられ、2012年夏頃から掘進を開始する予定です。

今回完納した掘進機は、泥土圧式シールド掘進機(直径5.22m)で、現在アブダビ下水サービス公社(Abu Dhabi Sewerage Service Company:ADSSC)が進めているSTEP(Strategic Tunnel Enhancement Program)プロジェクト(全長約42km)のうち、アブダビ都心部からムサファ工業地域に至る工区(全長約16.2km)に投入されます。なお、下水道建設工事は2014年中に完成の予定です。

今回使用される泥土圧式シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術と岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を融合した複合地質対応型の掘進機です。また、本機は、曲線部の掘削に対応するため中折れ式を採用するほか、1基で約5kmの長距離トンネルを施工するため、耐久性と高速施工を重視した仕様としています。

当社は、これまで国内外で約1,400基以上のシールド掘進機・TBMの納入実績を有しています。 今回の案件は、当社の高い技術力と難易度の高い地質での豊富な実績が高く評価されたものです。

中東地域では、引き続きアブダビやドバイ、カイロなどで地下鉄等の地下工事の増加が予想され、今後もシールド掘進機の発注が見込まれます。また、インドでは、ムンバイ、デリー、コルカタ、チェンナイ、バンガロールなどの大都市を中心に、さらに、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアでも地下鉄建設を中心とした地下工事が計画されており、アジア・中東市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が見込まれています。

当社は今後も国内外を問わずシールド掘進機・TBMの営業展開を強力に推進していきます。