新開発の内航LNG運搬船「あけぼの丸」の引き渡し

2011年10月31日

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川崎重工は、10月31日に新和ケミカルタンカー株式会社向けLNG運搬船「あけぼの丸」(当社第1682番船)を引き渡しました。

本船は、当社が新たに開発した貨物タンク容積3,500m型内航LNG運搬船の第1番船となります。

本船の引渡、主要目ならびに特長は次のとおりです。

 

<引 渡>

   
2011年10月31日

 

<主要目>


全長
99.37 メートル
 
長さ(垂線間長)
93.00 メートル

幅(型)
17.20 メートル

深さ(型)
7.80 メートル

満載喫水(型)
4.60 メートル

総トン数
4,505 トン

載貨重量
2,528 トン

貨物タンク容積
3,556 m (-163℃、100%において)

主機関
立型4サイクル単動過給機および空気冷却器付 ディーゼル機関
阪神内燃機工業製 LH46L  1基×1軸
連続最大出力 2,942kW×200回転/分

航海速力
約13.0ノット

定員
15名

船級
日本海事協会(NK)

船籍
日本(東京)

 

<特 長>

 
1)
本船は、日本国内での運用(内航)を主目的として、当社が液化ガス運搬船における長い経験で培った技術力を傾けて開発した低温蓄圧方式の内航LNG運搬船です。内航LNG運搬船では、これまでにLNGタンク容積2,500m型を4隻建造した実績があり、本船はLNGタンク容積を3,500m型へ大型化しています。
 
2)
-163℃の低温で液化された天然ガスを積載するため、船体とは独立し、低温収縮を吸収できる横置式シリンダー型圧力タンクを2区画の船倉内にそれぞれ1基ずつ配置しています。
 
3)
外部からの侵入熱はタンク外壁に当社独自の断熱構造(カワサキパネルシステム)を施して防ぐとともに、さらに発生するLNGからの蒸発ガス(ボイルオフガス:BOG)を耐圧構造のタンク内に閉じ込めることで、外部にBOGを出さない蓄圧式タンクシステムを採用しています。
 
4)
貨物タンクを格納する船倉は、船側ならびに船底を二重船殻構造とし、衝突、座礁などの事故に対する安全性向上を図っています。また、大型LNG運搬船と同様にタンクカバーによりカーゴタンクを外部から保護するとともに、外気と遮断しています。
 
5)
主機関は従来の大型LNG運搬船とは異なり、BOGを燃料として用いる処理が不要なため、従来内航船での採用実績が多い油焚きディーゼル機関を採用しています。
 
6)
本船はLNGターミナルでの荷役に加え、日本で初めて大型LNG運搬船から船舶間の積み替え(Ship To Ship Transfer シップ・トゥ・シップ・トランスファー)によりLNGの積み込みを行う新しい運用にも投入されることが計画されています。