岐阜工場に航空機研究開発のための新低速風洞を建設

2015年08月06日

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新低速風洞(完成予想図)

 

川崎重工は、航空機開発の拠点である岐阜工場に新低速風洞を建設します。

風洞とは、人工的に作り出した気流の中に航空機の縮尺模型を入れて模型にかかる空気力等を計測する設備で、この新低速風洞と既存の高速風洞により当社が開発する航空機の全ての飛行状態を最新設備で試験することが可能となります。

新低速風洞は、既存低速風洞の老朽化更新に伴い建設するもので、竣工は2018年度末を予定しており、気流特性等の風洞基礎データを取得・調整のうえ、2020年度からの本格運用を目指します。
岐阜工場の北工場東側に建設する新低速風洞は、敷地面積約5,000m2からなる大型の研究開発設備で、これまでの空気力計測に加え、測定部で風洞自体から発生する音を抑制し、縮尺模型から発生する“風切音”を計測可能です。これは国内メーカーが保有する航空機専用の低騒音風洞としては国内唯一、最大規模となります。新低速風洞の設計・製作は当社の機械ビジネスセンターが行い、低騒音化には技術開発本部の技術を反映します。

昨今、空港周辺の騒音規制が強化される中、固定翼機の機体各部や回転翼機のローター等から発生する空力騒音の低減は重要な差別化技術の1つになります。当社は、将来の航空機研究開発に必要な低騒音化技術の確立とともに、風洞技術の高度化、最新技術の導入、生産性の向上を図り、固定翼機から回転翼機まで幅広い航空機の研究開発に役立て、将来に渡り航空機開発のプライムメーカーとして躍進します。