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世界初 多人数の細胞を同時に完全自動培養する細胞自動培養ロボットシステム-実用化に向け試作機の評価を開始-

2006年12月04日


川崎重工は、再生医療分野向けに、細胞自動培養ロボットシステムの第1号試作機を開発しました。このシステムは、多人数の間葉系幹細胞※1を1台の装置で同時かつ安全に完全自動培養することを目指しています。従来の一人分の細胞を扱い培養工程を一部自動化する装置に対し、本システムは、1台の装置で多人数の細胞を同時に培養するとともに、全工程を完全に自動化する世界で初めての装置となります。

再生医療は、病気やけがなどで機能を失った臓器や組織を、培養した自らの細胞、組織を使って回復させる先端医療です。現在の細胞製造は、GMP※2に準拠した細胞調整室(Cell Processing Center : CPC)において、他人の細胞の混入や細胞間の感染などを防止するため、1室あたり1人分に限られており、また高度な熟練技術者の手作業に支えられていることから、細胞製造の能力不足が本格的な再生医療の実現に大きな障壁となっています。

当社が開発した細胞自動培養ロボットシステムは、多人数の細胞を、培養時は個室で管理するとともに、栄養を与えるなどの培養操作時には、各細胞を個別に操作診断部へ取り出して作業します。搬入・搬出や培養操作等一連の培養作業を人の介在なく完全自動で行うことから、汚染を防止できます。また、産業用ロボットメーカーとしてのノウハウを活用し、熟練技術者の複雑な動作をロボットによって再現することにより、高品質・高効率な細胞培養を実現するとともに、汎用性にも優れています。さらに、画像処理により細胞の培養状態を判断する自動判定機能や、ユーザーの運用をサポートする遠隔監視機能を備えるほか、当社の生産現場で培った生産管理技術を応用し、製造量や製造完了時期の調整、細胞の履歴管理など、医療現場の要求にも対応します。

本開発は、当社技術開発部門における新市場探索活動を通じて、当社が保有するロボット技術およびプラント技術、画像処理技術、生産技術等のコア技術の応用として企画しました。現在は独立行政法人科学技術振興機構(JST)の委託開発事業※3において採択され開発推進中であり、この度開発した第1号試作機は、信州大学医学部附属病院内に新設(12月4日開所式)された先端医療推進センター※4CPCに設置され、評価を開始します。同大学では本試作機を軟骨再生治療への適用を目指した研究に使用する予定であり、当社は今後、同大学による評価を経て、再生医療分野での実用化に向けたさらなる開発を推進します。


※1間葉系幹細胞:軟骨を再生する場合、軟骨細胞ではなく、骨髄液に含まれる間葉系幹細胞を培養して増やし、患部に移植する方法が研究されています。間葉系幹細胞は骨、軟骨、筋肉の再生が可能とされています。
  
※2GMP:Good Manufacturing Practice 医薬品適正製造基準。WHOが1969年に勧告した医薬品の製造および品質管理に関する基準であり、日本は1976年より実施しています。
  
※3委託開発事業:JSTの産官学連携による助成制度の中でも実用化を目的とした最終段階に位置付けられる制度で、本開発は北海道大学髙木睦教授と当社の共同出願特許等を技術シーズとして平成16年度に採択されました。
  
※4先端医療推進センター:信州大学の研究成果を臨床応用(トランスレーショナルリサーチ)し、社会構造や疾病構造の変化によって増え続けるメタボリックシンドローム、生活習慣病、がん、感覚器障害などを予防する『予防医学』に積極的に取組むために、3つの大きなセンター(トランスレーショナルリサーチセンター、先端予防医療センター、先端医療教育研修センター)からなるアライアンスを形成し、医学部、附属病院を横断的に結びつけ21世紀の夢の医療を実現することを目指しています。GMP準拠の先端細胞治療センター(CPC)を設置し、細胞療法、遺伝子治療などを行うとともに、研究支援活動を行います。なお、本開発関連では、脇谷非常勤講師(大阪市立大学講師)らによる本試作機を用いた軟骨再生治療の研究等への利用が予定されています。

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