ページ内移動用のメニューです。


  • 川崎重工 ホーム
  • ニュース
  • 安全で高効率な作業を実現する人道的地雷除去システム(BULLDOGシステム)を開発し、対人地雷除去車(MINE BULL)をアフガニスタンに出荷

安全で高効率な作業を実現する人道的地雷除去システム(BULLDOGシステム)を開発し、対人地雷除去車(MINE BULL)をアフガニスタンに出荷

2004年04月28日

 

川崎重工は、高い安全性と効率性を兼ね備えた人道的地雷除去システム(BULLDOGシステム)を開発し、このたび第一陣として対人地雷除去車(MINE BULL)をアフガニスタンに向けて出荷しました。

当社が開発したBULLDOGシステムは、地雷探知センサーや各種カメラを搭載した地雷探知車(MINE DOG)、地雷を掘出し爆破する掘削ドラムや爆片などの廃棄物回収機構を搭載した対人地雷除去車(MINE BULL)及びそれらの遠隔操縦・操作装置で構成されます。今回出荷した対人地雷除去車(MINE BULL)では、オペレータが乗車した有人運転モードに加え、遠隔操縦・操作装置を使った遠距離からの無線制御モードによる対人地雷の除去が可能です。この車は比較的平坦な居住地域、耕作地域、道路、空港およびその周辺などの住民が生活する地域を対象として、住民を脅かす対人地雷をオペレータの安全を確保しつつ効率的に除去することができます。

今回の対人地雷除去車(MINE BULL)の出荷は、日本政府による無償資金協力事業「対アフガニスタン地雷除去活動支援機材開発研究計画」の一環として実施され、日本で開発した対人地雷除去車を実際に人道的地雷除去活動を行っているアフガニスタンの実地雷原に持ち込み夏季の過酷な自然環境下でも十分適合できるよう綿密に調査検討することを目的としています。

なお、対人地雷除去車(MINE BULL)に続き、本年6月には地雷探知車(MINE DOG)をアフガニスタンに出荷する予定です。

今回出荷した対人地雷除去車(MINE BULL)の特長は、以下のとおりです。

(1)車両のベースは大型のロータリー式除雪車(川崎重工グループの日本除雪機製作所が製造販売)

300馬力のエンジンによる4輪油圧駆動方式の採用で、耐爆のために重い装甲を施した車両でも安定した低速運転が可能。また、タイヤ式なので自走による移動も可能
キャビンとエンジン部位を分離した中折れ型操輪方式なので、地雷を除去した後を前後輪共に安全に前後進することが可能


(2)独自開発の掘削ドラム装置を採用

200rpmで回転する幅2.1mの掘削ドラムには300個以上の掘削刃を装備し深さ30cmを掘削しながら最大速度1.5km/hで地雷を掘り出し爆破。(除去効率は面積にして3,150m2/h)
掘削ドラムで掘り出され放出してくる地雷を迎え撃つ固定刃をドラムカバーに装備し、回転ドラムの掘削刃との間で爆破粉砕できるまで地雷を繰返し打撃する機構を実現。
大型の対人地雷(TNT750g相当)の連続爆破に耐えうる構造の実現。
ドラムカバー部に装備した掘削深度センサーにより一定深度での掘削を実現。
掘出した土砂を掘削した土面に返す機構を実現。


(3)磁石を利用した廃棄物回収機構を採用

地雷除去作業終了後の確認作業の妨げになる鉄製地雷の爆片やその他の鉄片(フラグメント)を効率的に回収する機構を採用。除去作業全体の効率化に貢献
鉄製フラッグメントの回収率は90%以上を実現


現在、地雷が埋設されている地雷汚染国は、アフガニスタンやカンボジア、パキスタンなど90ヶ国に上り、特に無差別に民間人を殺傷する対人地雷の放置が国際的な人道問題となっています。 現在、各国政府によるODAや非政府組織(NGO)による地雷除去作業が各地で実施されていますが、従来の地雷除去作業は、地雷犬や携帯型の金属探知機による探知と人手による除去が中心であり、作業者の安全確保しつつ作業効率を向上させるには限界があります。 また、一部では機械化された地雷除去作業が行われていますが、現在は建設用重機を防爆構造にした対人地雷除去機に作業者が乗り込んで操作する方式が主流で、安全と効率の両面で改良の余地が多くあります。 さらに、金属探知機による地雷探知作業の効率が悪いために機械による地雷除去作業後の安全確認に多くの時間がかかるなど、効率の高い対人地雷除去機を導入しても地雷除去作業全体としては余り効果が発揮できないことから、安全と効率の両面から現地作業員の作業効率を高め得る人道的地雷除去システムの実現が急務となっています。

当社は、平成5年から地雷探知に関わるセンサー技術の研究を開始し、地雷探知および地雷除去について、長年にわたり独自の研究開発を行うとともに、防衛庁における当分野の研究活動に積極的な技術支援を行い、評価用に多くの試作品を提供してきました。 また、遠隔操作については、現在研究を進めている「人間協調・共存型ロボット研究開発プロジェクト」に代表される人間型ロボットの遠隔操作技術やロボットなど各種産業用機器の電子制御に関する高度な技術を保有し、平成4年には国連のカンボジアにおけるPKO向けに遠隔操縦型ロードローラを納入した実績があります。 今回の人道的地雷除去システム(BULLDOGシステム)は、これまでに蓄積してきたこれらの技術と経験を結集して開発したものです。

当社は本システムの開発を通じて、政府の国際貢献活動の一環である人道的地雷除去支援活動および地雷除去を推進している国際NGO活動に貢献していきます。

前のページへ戻る


ページの終わりですページの先頭へ戻る