ページ内移動用のメニューです。


航空機用一定周波数発電装置「T-IDG」を次期固定翼哨戒機(P-1)量産機向けに初納入

2010年11月30日



 

川崎重工は防衛省の次期固定翼哨戒機(P-1)量産1号機向けに、一定周波数発電装置「T-IDG® (Traction Drive IDG)」(※)を、共同開発のパートナーであるシンフォニアテクノロジー株式会社に納入しました。「T-IDG®」は、シンフォニアテクノロジー社において制御装置と組み合わされ、発電装置としてP-1量産初号機に搭載されます。

IDG(Integrated Drive Generator)とは、航空機エンジンの回転から電力を発生する電源装置で、変動するエンジン回転数(約5,000~10,000rpm)を定速駆動 機構で調速し、常に一定速度で発電機を回すことにより、航空機に一定周波数(400Hz)の安定した電力を供給します。

当社が新開発した「T-IDG®」は、従来用いられてきた油圧式無段変速機に替わり、定速駆動機構として高速トラクションド ライブ無段変速機を世界で初めて大型航空機に適用したもので、高効率、高耐久性を実現するとともに、高度な制御により良質な電源を供給することが可能であ り、航空機の燃費・信頼性向上に大きく貢献します。「T-IDG®」の開発において、当社はトラクションドライブ無段変速機と「T-IDG®」全体のとりまとめを、シンフォニアテクノロジー株式会社は発電機および発電機の制御部分を担当しました。

「T-IDG®」に適用したトラクションドライブ式とは、油膜の粘性抵抗を利用して動力を伝達する方法で、当社は「ハーフト ロイダル型」を採用しています。この「ハーフトロイダル型」とは、向かい合った富士山型ディスクとそれらに挟まれたローラーが動力を伝達し、ローラーの角 度を変えることによってエンジンの回転数が変化しても、発電機の回転数を一定に保つことが可能です。

今回開発した「T-IDG®」の発電容量は90kVAですが、さらに250kVAまで大容量化が可能です。当社は、この「T-IDG®」を世界の航空機に適用すべく製品化を行っていきます。

「T-IDG®」の特長は以下のとおりです。

 

1)

軽量化

小型化したトラクションドライブ、セラミック軸受の適用、トラクションドライブの高速回転(15,000rpm、自動車用の2倍)を制御する技術等を確立し、高速化によりトルクを低減することで軽量化を達成しました。

 

2)

高効率化・高信頼性化

動力をトラクションドライブだけでなく、ギヤにも分担させる「パワー・スプリット機構」、トラクションドライブをバーチャルに制御する「センサー・レス」制御採用により、全体動力伝達効率・信頼性を大幅に向上させました。

 

3)

耐環境性

航空機に求められる厳しい環境条件を克服するため、マイナスG対応オイルシステム、低温流動性の高いトラクションオイル、差圧対応型シール等を開発しました。

 

4)

高応答性

トラクションドライブ速度制御に電気油圧サーボ機構を使用しており、高い応答性により良好な電源品質を得るとともに、他の電源装置との切替時において「無瞬断切替」を可能にしました。


※「T-IDG®」は川崎重工の登録商標です。

前のページへ戻る


ページの終わりですページの先頭へ戻る