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メガワット級超電導モータで国内最高出力達成 -高効率の電気推進船の実現に向けて-

2010年11月01日



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超電導モータ実証機(挿入図は超電導コイル)
将来の水素運搬船への適用(イメージ図)

 

 川崎重工は、大型船の推進機や産業用の大型駆動装置向けに、大幅な省エネルギー化と小型化が実現できる超電導モータの開発を進めており、このほど、当社の技術研究所(兵庫県明石市)において、試作機による実証試験を実施し、国内最高出力となる450kWを達成しました。

 1.今回の開発成果について

 超電導とは、物質の温度を超低温まで冷却したときに電気抵抗がゼロになる現象のことで、様々な装置の高効率化に寄与するものと期待されています。

 当社が開発した超電導モータは、超電導コイルを回転部へ配置し、その中を超低温ガスで冷却する方式を用いており、鉄芯がなく強力な磁場を発生できることから、従来のモータと比べて半分程度の大きさに小型化することが可能です。今回1MWの出力を想定した試作機を設計し、1極あたり6個あるコイルの2個を設置して実証試験を行い、450kWの国内最高出力と非常に高いモータ効率98%を達成しました。この結果から、コイルをすべて設置した場合には、1MWの出力が得られることになります。

 ※モータ効率:入力された電気エネルギーに対する出力される機械エネルギーの比率

2.将来の製品適用分野について

 近年、船舶分野では、環境負荷低減やエネルギーの多様化に対応するため、電気推進船の導入が始まっています。しかしながら、地球温暖化防止に伴うCO削減の要求から、さらなる燃料消費の低減が求められており、これに応える技術の一つとして超電導技術が注目されています。

 従来のディーゼル船の推進機を超電導モータが組み込まれた電気推進機に置き換えた場合、消費電力の低減に加え、小型化により配置の自由度が増すことから、より水の抵抗の少ない船型への改良が可能となり、さらにプロペラを直接駆動できることで、減速機を介することによるエネルギー損失がなくなります。これら超電導の利点の組合せだけでも、約20%の燃料低減が可能です。

 当社は、次のステップとして、今年度から各種運搬船等の内航船向けに世界最高レベルの高効率・小型化を目指した3MW実用機の開発に既に着手しています。将来的には超電導モータを中大型の商船や、工場等で使用されている発電機や駆動装置へ適用することにより、高効率でCO削減が可能な製品群を創出していきます。特に、液化天然ガス輸送船や将来の液体水素の輸送船に適用した場合は、冷熱を有効活用でき、さらに効率の高い推進機の実現が可能です。

 なお、超電導モータの開発は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業(現在補助・助成事業で継続中)として、2007年9月から国立大学法人 東京海洋大学、独立行政法人 海上技術安全研究所、株式会社超電導機構、住友電気工業株式会社と協力して実施してきたものです。

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