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グリーンガスタービン

ガスタービンの技術

カワサキガスタービンは開発以来、より優れた性能を追求するため、先進技術の開発に日々取り組んでいます。
ここではその技術の一端をご紹介します。
これらの技術により『エネルギー利用の効率化』や、『環境にやさしい製品』『充実したサービス体制』を実現します。

環境負荷の低減

地球環境保護のため、カワサキガスタービンはお客様にクリーンなエネルギーを提供します。
排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)は、光化学スモッグや酸性雨の原因となります。環境負荷低減のため、排気ガスに含まれるNOxを大幅に低減する技術がカワサキガスタービンにはあります。

1) DLE燃焼方式

ガスタービンの排気ガスに含まれるNOxは燃焼時の高温条件において発生します(*1)。川崎重工のDLE (Dry Low Emission)燃焼器は、独自開発の「希薄予混合燃焼」と「追焚き燃焼」を組み合わせることで、10ppm(O2=15%)を下回る世界最高レベルの低NOx性能を実現しました。
希薄予混合燃焼とは、予め燃料と空気を均一に混合した希薄予混合気を燃焼器に噴射・燃焼させる方法です。この燃焼方式を採用することより、局所的な高温部分のない均一な温度分布が得られ大幅にNOxを低減することが可能です。
また川崎重工のDLE燃焼器の特徴である追い焚き燃焼とは、希薄予混合燃焼下流に燃料を投入し燃焼させる方法です。この方法では、追い焚き燃量の調整をすることで、希薄予混合燃焼を安定させたまま出力を変更することが可能になります。結果、NOx排出量を安定して低く保つことができます。

2) 蒸気・水噴射方式

DLE燃焼方式の適用が困難な燃料の場合にも、通常の燃焼方式に蒸気・水噴射を組み合わせることで低NOxを実現することが可能です。
通常の燃焼方式は拡散燃焼方式と呼ばれ、燃料をあらかじめ空気と混ぜることなく直接燃焼室内に噴射し燃焼させる従来型の燃焼方法です。これに蒸気または水を噴射することで燃焼温度を下げ、NOxの発生を低減します(*2)
この方式を用いることで、多様な燃料の要求に応えることができます。

*1:NOxは、燃料中に含まれる窒素が原因となり発生するもの(Fuel NOx)と空気中の窒素が燃焼時の高温で酸素と結合したもの(Thermal NOx)に分けられます。一般的にガスタービンに使用される燃料は窒素の含有量が少ないため、Thermal NOxが主です。本コラムでご紹介するDLEの技術は、燃焼時の高温が原因となるThermal NOxの低減に有効な技術です。

*2:かつてはガスタービンのNOx低減技術は、蒸気・水噴射方式が主流でした。これに対して考案されたのが、DLE燃焼方式です。DLE: Dry Low EmissionのDryとは水(Wet)を使用する蒸気・水噴射方式に対して、水を用いないことに由来する名称です。

効率の向上

川崎重工はお客様の採算性向上、ひいては地球環境保護のため、日々性能向上に取り組んでいます。

カワサキガスタービンの開発

カワサキ常用ガスタービン開発の系譜

1989年1.5MW、M1A-13ガスタービンを開発。
1994年6MWクラスのM7A-01ガスタービンを開発。
1998年M7A-01の圧縮機を改良、空気量を増加した7MWクラスのM7A-02ガスタービンを開発。
2001年M7A-02のスケールアップ機である18MWクラスのL20Aを開発
2007年最新のCFDを適用し要素効率を向上した、M7A-03型ガスタービンを開発。
2010年M1A-13のバージョンアップ機である1.7MW、M1A-17を開発。
2012年L20Aをスケールアップし最新の30MWクラスのL30Aを開発。

最先端技術の活用

1) 流体解析技術

近年、コンピュータの性能向上は目覚ましいものがあり、数値流体解析(CFD)においては、より複雑で大規模な解析が可能となりました。川崎重工では圧縮機全段を対象にした多段解析による空力性能最適化や、流体と伝熱を同時に解析する熱流動連成解析(Conjugate Heat Transfer)による冷却設計の最適化も実施しています。

圧縮機全段流れ解析結果の例

2) タービン高温化技術

ガスタービンの高性能化にはタービン入口温度(TIT)の高温化が有効ですが、一方で高温に耐えるための冷却技術が重要になります。
カワサキガスタービンは最新のフィルム冷却技術や前述の熱流動連成解析を適用し、タービン部の冷却性能の最適化を図っています。

熱流動連成解析の例
Ref: ASME Turbo Expo 2012
GT2012-68679

燃料の多様化

カワサキガスタービンは、多様な燃料に対応します。
これまでは熱量が低いなどの理由で、特殊な燃料は用途が限られたり廃棄されたりと、有効に利用されていませんでした。カワサキガスタービンでは多様な燃料を高効率のコージェネシステムで使用でき、地球環境の保全、エネルギーコストの大幅な削減に寄与します。
また、次世代クリーン燃料の本命とされる水素にも対応できます。

PUC17 非常用兼用デュアル燃料システム

さらに、2種類の燃料を切り替え運用するデュアル燃焼システムも導入可能です。
特に「DLE+液体スタンバイシステム」では、非常用発電装置として兼用することが出来ます。通常時はガス燃料を使用したDLE燃焼方式で運用し、低NOx・高効率を達成する一方で、災害等の非常時にガス燃料が供給されない場合でも液体燃料で始動または運転継続し、迅速・安定的な電力供給を実現するものです。

電力の安定化に貢献

カワサキガスタービンは発電用に最適化されており、変動の少ない高品質な電気を供給することができます。大きな負荷変動に対しても安定した電気を供給することができ、短時間で起動停止を繰り返すような運用にも対応可能です。
天候によって出力が左右されることの多い再生可能エネルギーと組み合わせ、天候の変化に合わせて負荷を増減、あるいは停止-再起動といった運用を行うことで、電力の安定化にも貢献します。

非常用発電装置再始動時間の短縮

川崎重工はあらゆる条件下で非常用発電設備が確実に電力を供給できるよう改良に取り組んでいます。
従来、一度停止動作に入った非常用発電設備は、ガスタービンエンジンが停止状態になるまで再始動できませんでしたが、これを解決し、停止状態を待たずに再始動を可能にするシステム(*3)を開発しました。
この新システムにより、非常用発電装置の停止動作中であっても再始動指令から40秒以内に給電可能となりました。例えば頻繁に運転・停止を繰り返す場合や、停止直後に再停電した場合でも速やかに再給電できます。
このシステムは、雨水ポンプ設備や、データセンタ、病院等の重要設備に最適です。

*3:本仕様はオプションとなっております。


学会誌・雑誌等への論文掲載情報

2015年
  • 「1.7MW級ガスタービンにおける水素混焼焚きシステム実証運転の紹介」 (公益社団法人日本ガスタービン学会 『第43回日本ガスタービン学会定期講演会講演論文集』 2015年9月)
  • 「ガスタービンを用いた水素発電」 (日本工業出版株式会社 『クリーンエネルギー』 2015年7月号)
  • 「水素ガスタービンの利用」 (株式会社テックタイムス 『紙パルプ技術タイムス』 2015年7月号)

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