床転換装置

2002年5月19日、世界遺産である姫路城からほど近い、緑あふれる姫路市手柄山中央公園内に、多彩な武道に対応できる国内最大級の施設「兵庫県立武道館」がオープンしました。
当社は、同武道館の目玉となる、世界初のエア浮上式を用いた「武道館用床転換システム」を納入しました。今回は、兵庫県立武道館で大活躍するこのシステムの概要をご紹介します。

「武道館用床転換システム」とは・・・

柔道用の畳32枚からなる畳ユニットを空気で浮かせて走行台車で移動させ、隙間なく並べて連結し、板床から畳敷きに自動転換させる画期的なシステムです。4ユニットで柔道場1面を構成できる畳ユニットが16ユニットあり、最大4面の柔道場をつくることができます。また、必要に応じて1面から4面まで敷設面を選択できます。転換の所要時間はわずか40分。畳(柔道場4面分の総数は512枚)を設営する作業をスイッチひとつの簡単操作で済ませることができます。


柔道場(1面)設営時の流れは・・・

1.写真中央左よりの「収納リフター」から1つ目の畳ユニットが「走行代車」により運ばれ設置が完了した。
2.2つ目の畳ユニットから搬送中。
「収納リフター」が1段ずつ上昇している。
3.2つ目の畳ユニット設置完了。
4.3つ目の畳ユニットを搬送中。
5.3つ目の畳ユニット設置完了。
6.最後の畳ユニットを搬送中。
7.全畳ユニット設置を約40分で完了。

機器の構成、特徴は・・・

「武道館用床転換システム」は、収納リフター4台、畳ユニット16ユニット、走行台車8台、それに制御装置・操作盤・安全装置などで構成されています。床転換時には、重さ約5トンの畳ユニットが無人の走行台車2台で決められた位置へ運ばれます。この畳ユニットは搬送時に檜の床面を傷つけないように、エア浮上して面圧と摩擦抵抗を小さくしています。また、走行台車は床面にレールなどを必要としない埋設タイプの磁気誘導無軌道方式を採用しているため、システムを収納すればすぐに剣道場等として使用できます。


その他施設への応用として・・・

当社は、重量物のエア浮上技術と磁気誘導式の無軌道型自動走行台車を組み合わせた設備として、ワールドカップでサッカーフィールドとして利用された札幌ドーム(札幌市)向けに「ホヴァリングステージ」を納入した実績があります。また、LNG (液化天然ガス)を貯蔵する地上タンクの建設では、屋根をタンク底部で組み立てた後、エア浮上によって持ち上げて施工する「エアレイジング工法」など、さまざまなエア浮上技術を応用したノウハウと豊富な実績を有しています。


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