FPSO/FLNG向けボイラ

当社は、FPSO(Floating Production Storage & Offloading、浮体式海洋ガス生産貯蔵積出設備)やFLNG(Floating LNG、浮体式海洋ガス生産液化貯蔵設備)上で発電及びプロセス蒸気供給用として利用される高温・高圧メインボイラを提供します。このボイラは従来のLNG運搬船に搭載された200缶以上の舶用ボイラと、陸上に設置された1,000缶以上の納入実績に裏付けられた高い技術を融合させて設計したボイラです。洋上という厳しい運転環境に耐える構造を有し、陸上のコジュネレーションプラントに要求される高い蒸気条件を満足するボイラとなっています。
尚、FPSO/FLNG向けボイラは短納期で複数缶同時出荷を求められる傾向にあり、効率的に連続して複数缶を製造するため当社播磨工場では専用建屋を有しています。


メリット・特長

実績に裏付けられた洋上設備向け世界最大容量のメインボイラ
2019年より豪州洋上プラントPrelude FLNGで運転を開始した当社FLNG向けボイラは、極めて安定的に運転を続けており、お客様より高い評価を受けています。このボイラは洋上プラント・Prelude FLNGの電力供給および液化ガスプロセスへの大量の蒸気提供を目的とするため高温高圧(60brag以上、500℃以上)の蒸気を生み出す、海上設備向けボイラとしては世界最大容量かつ世界初のボイラです。洋上環境で長期設置に耐えうる構造設計、堅牢な防爆設計を考慮のうえ設計・製造し、且つ世界最高水準の規格承認を受けています。
幅広い種類の燃料が利用可能
LNG/LPGのみならず、低カロリーゆえに安定燃焼が難しいとされる、油田やガス田から発生するCO2などの不活性ガスを多く含む随伴ガスなどの幅広いガスを燃料とする事が可能です。
これらの随伴ガスを燃料として活用する事で、燃料としての製品ガスの消費を抑制し、プラント全体のオペレーションコスト圧縮に資するとともに、従来は廃棄していた随伴ガスを燃料として活用する事でCO2排出量を低減し、環境負荷低減に寄与する取り組みにも貢献します。
実際の運転を考慮した運転機能と低頻度メンテナンス
プラント起動時や緊急時はもちろん、プラントの操業に応じた稼働状況を想定の上、プラント設備の省力化を目的として、自動燃料切替機能や急速負荷変動に対応する機能を備えています。
また、定期的なメンテナンスの動線を考慮したボイラ配置にて計画しているほか、他の発電機器と比較して、ボイラはメンテナンス箇所も限定的であることから、メンテナンスに必要とする期間も短縮でき、オペレーションコスト低減に貢献します。

スペック・用途・適応可能な燃料

スペック 蒸気条件(圧力 / 温度)
圧力: ~70barg
温度: ~525℃
容量: ~220t/h
対応規格:Lloyd、ABS、NK、BV、DNV/GL等の各種主要船級、NR13、IECEx、API等の安全基準
用途 発電(FPSO/FLNGプラントの電力供給)
蒸気利用(ガスプロセスにおける高温高圧蒸気利用など)
燃料 天然ガス、低カロリーガス、MGO、MDO

当社のボイラは様々な燃料や蒸気条件に対応すると共に、お客様の電力・熱の需要、配置の要望に合わせた幅広い設計・製作を行っています。是非お問合せください。


プロジェクト事例

SHELL社 Prelude FLNG向け案件

世界初のFLNG(洋上液化・貯蔵・出荷設備)として開発された豪州Prelude FLNGプロジェクト(プラント運営者:Shell)に対して同一仕様のボイラを7 缶納入しました。ボイラは、1 缶当たり毎時 220トンの高温・高圧蒸気を発生し、洋上用では世界最大容量です。本ボイラは最適化した燃焼室および堅牢な構造を有し、洋上環境で要求される特殊、かつ高いレベルの仕様をクリアしています。

納入先 Technip FMC
型式 UFE Type 220
蒸発量 220 t/h
蒸気条件 480 degC, 69 barg
用途 発電および蒸気提供
主燃料 天然ガス、ディーゼルオイル
運転開始年 2019年
適用規格 Lloyd、NR13、IECEx

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