ポンプ駆動用ガスタービン(カワサキMDシリーズ)

カワサキMDシリーズは、豊富な実績をもつカワサキガスタービン発電設備の経験と技術をもとに、川崎重工が1981年から研究開発をすすめ、1986年に1号機を完成させたポンプ駆動用のガスタービンです。冷却水不要、低振動、低騒音、優れた始動信頼性など、ガスタービンならではの特徴が、ポンプ場における設備の信頼性向上と、操作・維持管理の簡素化を実現し、納入実績を重ねています。

屋内設置構成例

1
ガスタービンパッケージ

ガスタービンおよびこれに付帯する機器を共通台板上にセットしたもので、防音パッケージで覆っています。

2
ポンプ制御盤

ポンプ盤とガスタービン制御盤を組み合わせた装置です。

3
ガスタービン始動装置

電気式と空気式がありますが、電気式を標準としています。電気式は蓄電池と充電器、空気式は空気槽と空気圧縮機および始動弁ユニットによって構成されています。

4
排気消音器

ガスタービンパッケージには、排気消音器を用意しています。

5
燃料小出槽

490リットル、950リットル、1,950リットルを標準として用意しています。

6
給気設備

運転に必要な空気を供給する設備で、給気ファン、給気消音器などで構成しています。

7
換気装置

主にガスタービンパッケージ内の放熱空気を屋外へ排風する設備で、換気ファン、換気消音器などで構成しています。

8
ポンプ(含む減速機)

ポンプ駆動におけるガスタービンの特徴

無水化による信頼性の向上

設備の簡素化

空冷式で冷却水系統が不要のため、凍結事故や断水事故がなく、システム全体の信頼性が向上します。

高速回転で、かつ構成部品点数が少ない原動機であるため、小形・軽量となり、運搬・据付が容易で、設置スペースの低減が図れます。

運転の省力化

大きな経済効果

単独で無負荷長時間の管理運転、および先行待機運転が可能です。また、遠隔制御化によって自動運転や無人運転も容易です。

建設費の低減に加え、設備の維持管理費も低減できます。
さらに、ポンプ設備の改良更新時の対応も容易です。

環境保全に寄与

NOx、SOx、ばいじんなどの大気汚染物質の排出濃度が低く、排気がきれいです。
また、回転運動機関のため低振動・低騒音であり、耐震性能も優れています。

カワサキMDシリーズの特徴

川崎重工が自社開発した純国産ガスタービン

優れた始動信頼性

自社で開発・設計・製造しているので、エンジンにブラックボックスがありません。部品供給やアフターサービス体制も迅速で安心です。

構造の簡単な単筒缶形燃焼器を採用し、二重噴射ノズルによる連続燃焼方式のため、着火ミスがなく、優れた始動信頼性が得られます。

豊かな実績

充実のラインナップ

発電設備も含め、累計7,000台以上の実績を重ねています。

200kWから3,200kWまで21機種を揃えていますので、お客さまのニーズに合わせて最適な機種を選定することができます。

維持管理が容易

構造が簡単で、部品点数が少ないため、日常のわずかな点検で機能を維持できます。

ポンプ駆動システムの構成例