30MW級の純国産高効率ガスタービン「L30A」の販売開始

2012年02月20日

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川崎重工は、当社製ガスタービンの最大出力機種である30MW級の純国産高効率ガスタービン「L30A」の開発を完了し、本年3月より営業活動を開始します。

L30Aは、産業用の30MW級ガスタービンでは世界最高の発電効率40%以上を達成し、同機を用いたコージェネレーション(熱電併給)システムは総合効率83%以上、蒸気タービンとの組合せによるコンバインドサイクル発電プラントは50%を超える発電効率を実現することができます。環境性能においても、窒素酸化物(NOx)の排出量を世界最高レベルの15ppm(O=15%)以下に抑えています。

L30Aは、当社が長年培ってきた産業用中小型ガスタービンの開発技術と航空用ジェットエンジンの高度な要素技術を結集して開発したもので、以下の特長を有しています。

(1)   圧縮機の高圧力比化、新開発の耐熱材料の適用、タービン冷却技術の改良などにより、同出力クラス世界最高である発電効率40%以上を達成しました。
(2)   独自開発のドライ低エミッション(DLE)燃焼器により、窒素酸化物(NOx)の排出量を世界最高レベルの15ppm(O2=15%)以下に抑えました。
(3)   最新の高度な技術と従来機種で培った経験をベースとした、メンテナンス性に優れた構造を採用しています。さらに、最適なメンテナンス周期の提案により、ライフサイクルコストの大幅な削減を可能としています。

L30Aは、当社従来機種である7MW級のM7A、 20MW級のL20Aに続く製品として開発したもので、分散型発電・コージェネレーションの大型機種分野に投入されます。L30Aの販売開始により、自社開発のコージェネレーション用ガスタービンの製品ラインアップは500kW~30MWに拡大し、より幅広い顧客ニーズに対応することが可能となります。

当社は、純国産・自社技術にて産業用ガスタービンを開発し、1976年に非常用ガスタービン発電設備の初号機を納入して以来、約35年間で常用および非常用合わせて7,500台を超える納入実績があります。このうち、常用発電設備は1984年に初号機を納入以来、約25年間で650台を超える納入実績を有しています。

震災後、国内ではエネルギーのセキュリティが注目を集めるようになり、分散型発電のニーズが高まっています。L30Aは、ガスタービン発電設備と排熱回収ボイラを組合せたコージェネレーションシステムや、蒸気タービンと組合せたコンバインドサイクル発電プラントに最適なガスタービンであり、そのようなニーズに柔軟に応えることが可能です。また、国内に限らず、電力需要の増加、環境規制強化および各種エネルギーネットワークなどの新たなニーズが見込まれる海外市場においても、多くの需要が見込まれます。
当社は今後とも、欧州、米州、アジア、中東の各現地販売拠点を活用し、国内および海外市場においてガスタービン事業を積極的に展開していきます。